FUJIFILM X10

光学ファインダーで光景と一体となる。FUJIFILM X10

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今では珍しい光学ファインダーのコンデジ FUJIFILM X10

僕はEVFでも撮るし、ファインダー無しの背面モニターでも撮るんで、絶対的に光学ファインダーじゃないといけないという主義ではない。

けれど、その日のスナップカメラを選ぶ際に「きょうはなんだか光学ファインダーをのぞいて撮りたい」と、カメラ選びの理由に光学ファインダーが上がることは割と多い。

それは「フィルムカメラライクな気分で撮りたい」という郷愁のようなものもあるけど、なんというか「目の前の光景と一体になれる感覚で撮りたい」というのが理由として大きいように思う。

光学ファインダーはいわゆる素通しのガラスをのぞき込むスタイルだから、しぶんの目と景色の間に電気的な画像が挟まることはない。いわゆる見たままの光景を切り取るという表現が実にしっくりくる。

いまだに一眼レフ機を使う人、ライカのM型デジタルを使う人なんかも、その理由として光学ファインダーをのぞいて撮りたいという気持ちが強いことは間違いないだろう。僕が一眼レフ機やFUJIFILMのハイブリッドビューファインダー(EVFとOVFをその都度切り替えて撮ることができる)を好む理由もまさにそれだ。

FUJIFILM X100V
FUJIFILM X-Pro3, FUJINON XF35/1.4R

シャッターを切る前に写真の仕上がりが容易に想像できるという点では、ミラーレスの標準といえるEVFや背面モニターはたしかに便利ではある。

でも便利ということ以上に、せっかく写真を撮るなら、そのプロセスも楽しみたい。

となると、答えを事前に確かめて写真を撮るより、どんな写真が撮れるだろうか?という「問い」を楽しみながらシャッターが切れる光学ファインダー機はやっぱりワクワクできるし、現像するまで仕上がりがわからない楽しみがあるフィルムカメラと同じような、あの一枚一枚の驚きのような工程がやっぱり魅力的なのである。

ちなみに、僕が好むコンデジのFUJIFILM X10は、ミラーレス機だけど光学ファインダーがついている。大きさからして見やすいというレベルのものではないが、光学ファインダーがあることで目の前の世界と同化したような気分が味わえるし、まぶしい日中でも背面モニターよりずいぶんと見やすい。

やはり、光学ファインダーだから、ふと使いたいと思わせるカメラなのである。

FUJIFILM X10

レンジファインダー機ではなく、あくまでミラーレス機だから光学ファインダーだけでピントを思い通りの場所に合わせるのはなかなかむずかしい。

僕はAF合焦音がピピッと鳴るようにセットしてるから「あ、たぶんこの辺にピントが合ってるのだろう」という予測はつく。でもあくまで予測であって、それは正確かどうかは分からない。でも、そのどこか曖昧にシャッターを切る感覚がとても良いのだ。

プロが撮る失敗が許されない写真撮影なら、そんな悠長なことは言っていられないだろうけど、僕が撮るのは趣味の写真なんで「正確さよりも、驚き」みたいなものを写真とカメラに求める。

それには、光学ファインダーであることは、実に気持ちが高揚するし、何より自然で心地いいのだ。癒されるという要素も含めて、光学ファインダーとは古いものではなく「より自然体で撮りたい時の、ひとつの選択肢」なのだ。

僕はつい最近、PENTAX K-3 Mark IIIも購入した。フルサイズミラーレス本格時代の中にあって、敢えて一眼レフ機をチョイスしたのである。できれば、これからもずっと光学ファインダーで撮り続けたいという僕の深層心理の現れなのだと思う。

PENTAX K-3 Mark IIIで撮る人生がいいな、と思った。 時にひとは理屈では説明できない行動をとる。例えば、このフルサイズミラーレス本格時代の到来の真っ只中にあって、孤高の一眼レフ機を手...

光学ファインダーには、それだけ価値があると思ってる。あえて選ぶだけの決して小さくない価値。

昔は、一眼レフ以外にデジタルで光学ファインダーで撮るとすれば、それはライカしかないと思っていたけど、ピント合わせに必要以上に敏感にならないでおけるなら、いわゆるミラーレス機でも光学ファインダーで撮れるカメラがけっこうあったりする。

FUJIFILM X10

無論、それらは古い時代のカメラだから中古で探すことになるが、見つかれば値段も安く手に入れることができる。

決して精度が高いとはいえない、ある意味レトロな光学ファインダーをのぞいて撮るデジカメ撮影は、デジタルだけどおそろしくアナログな感覚に包まれる不思議な世界が味わえる。

ひとたび、そんなカメラとストリートに出れば、もう夢中でたくさんのシャッターを切りまくることだろう。そういう無心でスナップに没頭できるマジック、それが光学ファインダーなのである。