10年の時を経て僕の元へやってきたニコンの元祖ミラーレス、Nikon 1 V1を仕事鞄に忍ばせて、朝の仕事場へ向かう道すがら少しシャッターを切ってみた。
とりあえず試し撮りとしては、まずはプログラムモードで、他のスナップ用カメラとの比較もしたかったんで、いつもの通りモノクロームで撮ってみた。
いつものスナップシューターたちと違うのは、レンズがズームであるということ。僕のV1はダブルズームキットで、10-30mmと30-110mmの2本のレンズがあるが、きょうは10-30mmでフルサイズ換算で27-81mmのレンズをつけて撮り始めた。
ひと言でいえば、これはめっちゃ楽しいよ、いやほんとに。まずボディに関していえば、小ぶりなんだけど適度に重さがあって(一眼レフと共用のバッテリーを積んでるので)、スッと構えた時に割と安定する感じがある。これがスナップシューターとしてはとても良い。
そして、やっぱりズーム。もちろんシームレスでズームできるんだけど、目安として5つの焦点距離が刻まれていて、それがフルサイズ換算で27mm、38mm、49mm、65mm、81mmあたりになるんで、言うなれば5本のレンズを持ってスナップしてるということ。楽しくないわけがない。
僕はふだんスナップする時はほぼ単焦点レンズなんだけど、以前OLYMPUS PEN-Fにパンケーキズームをつけて撮っていたこともあって、ズームでスナップする距離感には実はけっこう良いイメージがある。それを久しぶりに思い出した。
描写のほうは、どうだろう。こればっかりは写真を見てもらって判断してもらうしかない。モノクロモードでフィルターはイエローを選択してるけど、少し空が白とびする印象をもったかな。でも、これも初めてのスナップなんで、あくまで僕がまだ癖を掴んで撮り慣れていないことがある。
何はともあれ、とにかくメカシャッターが気持ちいい。この小気味よい感じは、僕の中のシャッターフィールNo.1であるOLYMPUS PEN-Fに通じるものがあるかもしれない。
スナップはまさにリズムで撮るようなところがあるから、このV1のシャッターフィールはスナップ好きの人なら、なかなかたまらないものがあると思う。
そして、週末に撮った自然の風景スナップもいくつか載せておく。ボケを期待するようなレンズでもカメラでもないんで、撮りやすいのは街中のパンフォーカスだったりするけど、自然の風景も広角で撮ると気持ちいいし、けっこう寄って撮ることもできる。
と、ひとまず試し撮りがてらスナップした写真をいくつか載せてみたけど、いかがだろうか。まあ僕の稚拙な腕前は置いといて、Nikon 1 V1と1 Nikkor Zoomの描写力のほうはなかなかなもんではないだろうか。
とにかく軽量コンパクトで持ち出しやすく、それでいてズームで自在に街を切り取れるこの感覚は、スナップシューターとしては申し分ないと僕は思った。いや、そのバランスの良さは、実は名機といってもいいんじゃないだろうか。褒めすぎか笑。
まあでも、当初、ぼくが抱いていたNikon 1の良くも悪くも「軽い(重量ではなく存在感)」という印象は、見事に裏切られたというか、これはまったく本格的なカメラだと再認識した。ニコンは10年前からミラーレスは全然イケていたのである。
ひたすら私見ではあるけど、これが僕が数日間使ってみた率直な感想である。手に入れてよかった、そう真底思える一台である。