数日前から気になってはいたんだけど、Twitterでフィルム販売関連の方々が「2022年にコダックのフィルムが値上げ」とつぶやかれており、どうやら来年もフィルムの値上げで幕を開けそうだ。
たしか、今年の初めも値上げでスタートした記憶があるから、もはやこの流れは加速している感じすらある。
原油高とか材料の高騰なんかが時期的要因だろうけど、根底にはフィルム需要の減少が年々進んでフィルム販売会社の利益確保が難しくなっているということだろうから、企業が存続しないことにはフィルムも存続しないわけで、この問題ばかりは「文化の継承を!」という願いだけではどうにもならない。
たしかにここ数年、写ルンですをはじめとした「エモい」ブーム的なこともあって、フィルムカメラとフィルム写真がちょっとした人気アイテムだったりもするんだけど、写真の総量そのものがカメラからスマホカメラにシフトしていることを考えると、その一部であるフィルム需要が今後飛躍的に上がってフィルム製造コストが下がるということも考えづらい。
つまり、フィルム販売会社が音をあげるか、フィルムユーザーがその高値に音をあげるかのせめぎ合いと言った様相である。
フィルムとフィルムカメラは、今が使いどきかもね。カメラの状態的にも、コスト的にも。 pic.twitter.com/bQhKzAumT3
— 記憶カメラ (@KiokuCamera) December 1, 2021
とはいえ、これは今に始まったことじゃないし、フィルムで写真を撮りたい人たちは変わらずいて、生活の中でたぶんいろんな工夫ややりくりをしながら、大好きなフィルムで撮り続けている。
フィルムを海外から購入する人、自家現像をする人、期限切れフィルムを探す人、あと僕なんかのように普段はデジカメ撮影を多めにして、ここぞという時に貴重な写真としてフィルムで撮る人、実にいろいろである。そして、フィルム販売会社もそんなフィルムユーザーの思いを感じて、なんとかフィルムの流通を止めまいと努力されている。
残念ながら画期的な妙案は思いつかないけど、みんながフィルムの存続を我が子のことのように願っていたりして、こういう現象も他ではあまり見られない光景じゃないかと思う。まだフィルムを体験していない人たちに、なんとかこのフィルムのある日常を残せたらと願う、そんな空気。
僕にできることといえば、フィルムを一本でも多く購入すること、一枚でも多く世の中にフィルム写真を披露すること、ということになるけど、あまりこの気持ちが過度になり過ぎても雑念になって、個人の趣味としてフィルム写真を純粋に楽しめなくなってしまう気も。むずかしいところだね。
フィルムが完全にこの世から姿を消すことは無いとは漠然と思ってはいるんだけど、あとは値段との戦いかな。戦いなんて言葉を使いたくないけど、来年、再来年はもっと心がざわつく気がする。心穏やかになるためにフィルムで撮りたいわけだけど、少しせつないな。
追記)富士フイルムは24枚撮りを廃止して36枚撮りに一本化の方向だけど、コダックは引き続き24枚撮りも販売するようで、コスト的な選択余地はまだありそうだね。
★今日の新品/中古情報をチェック!