FUJIFILM GFX 50S II レビュー

EVFの中に見る、現代のカメラのおもしろさも。

アフィリエイト広告を利用しています
FUJIFILM GFX50SII, Mitakon 80mm f1.6

僕の場合はたしかにクラシックなスタイルのカメラが好みなのだけど、だからといって昔ながらの光学ファインダーじゃないとダメだとかって意識は無い。光学ファインダー=OVFもありのままで素晴らしいが、現代主流のEVFで撮る世界もまた実におもしろいのである。

たとえばFUJIFILM GFX50SIIに明るいMFレンズをつけて散歩していると、それを大いに意識する。いわゆる中判デジタル機がとらえる精巧で濃密な光景描写は、EVFで見ても背面モニターで見ても、それだけでゾクゾクッとするものがある。肉眼では分からない光の交錯の世界を、EVFというもうひとつの目によって目撃しているような。

特に明るいレンズをつけてのぞいた時のピントの山がヌュルリと生き物のように動いたり浮かび上がったりする光景をつぶさに見ると、なにか宇宙的な光景を見ているような気分にもなる。僕がGFXに明るいMFレンズを好んでつける理由でもある。

FUJIFILM GFX50SII, Mitakon 80mm f1.6

この「撮れるものが、ファインダーのなかで見れる」という仕組みは、EVFの最大のメリットだけど、それを「答えが先に分かっておもしろくない」という向きもある。それはOVFの一眼レフ機やレンジファインダー機と比べてたしかにそうとも言えるけど、「また違った世界が見える」という選択肢においてはとても有意義なことである。

写真に写る世界は、ある意味肉眼とは異なる。肉眼ではパッと見認識できないものが見えるところに写真のおもしろさがある。そんな「見えない世界」がファインダーをのぞいただけで体感できるEVFは、まさにのぞくだけで現代の魔法の道具のようなモノとも言える。何を大袈裟なことを、と言われるかもしれないが、OVFとEVFを混在させて日々撮っていると、そんなことを素直に感じる。

FUJIFILM GFX50SII, Mitakon 80mm f1.6

EVFだと当たり前に思ってしまうが、たとえばモノクロのファインダーをのぞいて世界を垣間見て撮れるなんてのは、なかなか衝撃的だ。光と影の交錯を、ファインダーをのぞいた時点で垣間見ることができるのだから、これはOVFでは得られないゾクッとする感覚が僕にはあるし、なんならシャッターを切らずともモノクロ双眼鏡みたく楽しめる、とすら感じる。

まあ、なにやら言葉で理屈めいて書くとこんな感じだけど、とにかくEVFをのぞいて撮ることはなかなか神々しいことだし、OVFとは異なる選択肢としてのたのしみがあるぞ、というお話。いまではあまりにも当たり前のこと過ぎて忘れがちだけど、EVFのなかを魔法のシアターのように楽しむという捉え方を、GFXで撮っていると常に感じるという話でした。

FUJIFILM GFX50SII, Mitakon 80mm f1.6

そうそう、GFXもOVFが載ったハイブリッドビューファインダーで楽しめれば、なんて声も以前あったし、僕もそう考えた時期があったけど、ハイブリッドビューファインダーのOVFはレンジファインダーではないので、あの大迫力の画像の世界を楽しむなら断然EVFのほうが良いといまは考えている。

たまに、X100系やX-Proシリーズのことをレンジファインダーと呼んでいる人を見かけるけど、素通しのガラスを通して見れるOVFではあるけど、二重像を合わせて撮る距離計カメラではないので、あくまでレンジファインダー「風」だ。

FUJIFILM GFX50SII, Mitakon 80mm f1.6

パンフォーカスで撮る分にはOVFとブライトフレームで切り取る感覚は楽しいけど、M型ライカのような「二重像を合わせて光景を浮かび上がらせる」という撮り方は楽しめない。レンジファインダーで撮ったことのない人には、なかなか分かりづらい違いの感覚なので、別に間違うことをどうこう言うつもりはない。あの「光景が浮かび上がる」という感覚を味わうという点においては、EVFのほうが楽しい側面もあるぞ、という話である。

趣味のカメラの世界でいえば、選択肢がいろいろあるというのは、楽しさの広がりでもある。それゆえに、ついついいろんなカメラやレンズを試したくなるわけだが笑、EVFはその視界にいろんなハイテクを載せられるという意味で、ある意味発明級の進化ポイントだったと思う。写真が「肉眼では見れない世界」を見せてくれるように、EVFもまた魔法の目なのである。

関連記事