digital PEN-F

始めるカメラと、たどり着くカメラ。

Olympus PEN-F Black Body, M.Zuiko digital 12/2

僕にとって「始めるカメラ」とはNikonのデジタル一眼レフ D5300 &D750であった。そして、それから数年で「たどり着いたカメラ」というのが写真のOLYMPUS PEN-Fである。その途中には実にいろんなカメラを経由しているわけだけど、大きくいえばRICOH GRとフィルムカメラ、Leicaを経由したことが「たどり着くカメラ」に多大な影響を及ぼしたと思う。

「始めるカメラ」を何にするかというのも、その後のカメラ人生に与える影響としては大きいよね。僕なんかは本格的カメラといえば「ゴツい一眼レフ」という印象を持っていたから、まずそれ前提でカメラ選びを始めた。ネットで調べるとこれはもう分かりやすく「CanonかNikon」ということがわかり、僕はNikonの男くさい道具感とプロ機っぽいイメージでNikonのデジタル一眼レフを選んだ。

けれど、これは歳をとってから遅れてカメラを始めた僕の場合であって、若くしてカメラを始めたなら、コンデジからスタートしていたかもしれないし、ミラーレスからスタートしていたかもしれない。そうすると今みたいに「ファインダーのあるカメラ」へのこだわりはなかったかもしれないよね。背面モニターをiPjoneを操作するように使うことが「カメラ」のスタンダードイメージになったかもしれない。

あとは、カメラを始めてわりとすぐにRICOH GRを手にしたことも大きいと思う。ゴツいデジタル一眼レフは週末用となると、平日の仕事鞄の中に入るコンパクトなサブカメラが欲しくなって手に入れたんだけど、GRのおかげで「広角」と「街撮りスナップ」、「モノクロ」に目覚めた。むしろ一眼レフよりGRにハマったとさえ言える。大量にシャッターを切る感覚もこの時に刷り込まれた気がする。そのままGRだけにハマった状態だったら、きっとその先としてはAPS-Cからフルサイズへステップアップして、SONYのRX1とかにいってただろうな。

けれど、ここで僕のカメラ人生に大きな転機が訪れる。それがフィルムカメラとの出会いである。RICOH GRという速写の街撮りスナップシューターでバンバン撮るスタイルから、予想もしないフィルムカメラへの転換なわけだけど、ひょんなことから一眼レフであるNikon FEを手にすることで「露出」というカメラの基本的性質をあらためて理解、楽しむことになる。そこからはもう、じぶんで露出をマニュアル操作で決めて撮ることがゲームのように楽しくて、カメラのルーツを辿るようにいろんなフィルムカメラを手にした。フィルムで撮れる写真の風合いも好きだし、現像というプロセスも味わい深く思ったけど、とにかく「カメラをじぶんでマニュアル操作して楽しむ」ということに惚れた、というのがいちばんだった。

なかでもグッとハートを鷲掴みされたのが、ライカだ。カメラを始めた頃には、まさかじぶんがライカに触るなんて想像もしなかったけど、フィルムをやるとフィルムライカへたどり着くのは自然な流れで、あの本格的なんだけど絶妙なコンパクトさを持つカメラで街を撮り、自然を撮ることが僕にはとても腑に落ちたんだよね。僕の常用カメラスタイルはこれだ!とね。その後、本当に自然の成り行きのような思考で、M型デジタルまでたどり着く。この時、僕は完全に「上がり」のような感覚を持ったことを覚えている。

もうここまでたどり着けば、行く先はない。誰もがそう思うのだろうし、僕もそう思った。確信した。けれど、その先にまだ続きがあった。それが、ミラーレスのOLYMPUS PEN-Fとの出会いだ。近ごろブログを読んでくれた人は分かるかもしれないけど、今の僕はこのPEN-Fが日常の相棒だ。平日の仕事鞄の中にはほぼ毎日PEN-Fが入っている。何故に今さらマイクロフォーサーズ機に行くのだろう?、きっとカメラをやる人なら大半がそう思うだろう。実際、Twitterのフォロワーさんの中にも「ライカまで行った記憶カメラさんが、まさかPEN-Fへ行くとは想像もしなかった」と言われた。うん、そうだよね、僕ですら少し前なら想像しなかったから。

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けれど、ここまでに書いてきた僕のカメラの軌跡が、到達点としてのカメラとして僕をPEN-Fに導いたんだよね。GRが持つ速写性、フィルムカメラ並みのボディの薄さ、ファインダーのあるコンパクトボディ、メカニカルな軍艦部のダイヤル類、そしてフィルムカメラで体感したオリンパス製品のカメラに対する美学。どれもがすべて凝縮されたのが僕の中でのPEN-Fであり、その価値はLeicaと同等か、どうかしたらそれ以上と思わせる満足感へと至らせた。

ところでマイクロフォーサーズってどうなの という問いに対して 僕が思うこと。 マイクロフォーサーズと聞いてどんな印象があるだろうか。僕の拙い知識でも、一般的なコンデジよりは大きなセンサーを積んでるとはいえ、...

なんだか、書き始めたことからかなり脱線している気がしないでもないけど笑、まあこれが僕にとっての「始めるカメラ」から「たどり着くカメラ」までの軌跡だ。かなり端折って書いているからまだまだ言い足りないエモーショナルなエピソードや契機は山ほどあるけど、それはまたこのブログをいくつかさかのぼって読んでみてもらえるとうれしい。それにしてもこれはあくまで「僕のケース」だから、人それぞれほんとたくさんの「始めるカメラ」から「たどり着くカメラ」までの物語が無限大にあるんじゃないかと思う。

特にこれからカメラを始めようとする人なんかは、もう間違いなく一眼レフよりはミラーレスが当たり前だろうから、その後辿る道も僕なんかとはまったく異なるだろうし、カメラという道具はもっとデジタルデバイス化していくだろう。数年先にはもはや「カメラの形をしていないカメラ」が発明されているんじゃないかとさえ思う。僕は将来、息子へカメラをあげるのがささやかな夢だったりするんだけど、もうカメラも別世界になっていたとしたら、要らないって息子に言われちゃうのかな。どうかな、それもまあ未来への楽しみということで。

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