しばらく「モノクロ」と「50mm」と「光と影」に凝ってみようかな。
何か特別なことがあったわけではないんだよね。ただ、なんとなく今日の夕刻、そんなことを思った。考えてみると、僕はフィルムカメラでも、デジタル一眼レフでも、そしてM型デジタルライカでも、常にメインレンズの焦点距離は50mmばかりだった。その「慣れ」もあるかもしれないけど、何よりこの焦点距離の写真がじぶんとしては気持ちいい。なぜ気持ちがいいかは分からないけど、たぶん「標準」と呼ばれる割には微妙に難解なその視界がクセになるところがあるんだと思う。
ここ最近、APS-CのFUJIFILM X-Pro1やマイクロフォーサーズのOLYMPUS PEN-Fで撮ることが多いんだけど、気がついたら35mm換算で「50mm」に近いレンズが使っていて気持ちいいと思ったことも大きい。X-Pro1なら35mmレンズで換算52.5mmとなるColor-Skopar 35/2.5が良いし、PEN-Fなら25mmレンズで換算50mmのSnapshot-Skopar 25/4がやけに気持ちいいことに気がついたんだよね。Leica M-P typ240はフルサイズなんで、ライカのオールドレンズであるElmar50やSummicron50、Summilux50でそのまま50mmを楽しめる。カメラを変えても焦点距離は50mm付近のまま常に楽しめるのがいいなと思い至ったわけである。
「モノクロ」に凝ってみようというのは、今回が初めてではない。数年前にRICOH GRだけで撮ってた頃も「しばらくモノクロにこだわってみよう」と撮り続けていた時期がある。理由は定かではないところも今回の思いつきと良く似ている。「光と影」はモノクロにこだわるならセットのようなもので必然だ。なんだろうね、突然というかそんな風に思うのは、歳のせいなのかな。何かひとつくらい極めたいというか、限られた時間の中でカメラを深く楽しむなら、ひとつの制約の中でもっともっと深掘りしてみようと、ふと思ったんだよね。この流れのパターンは、Leica M Monochromにたどり着くパターンだけど、幸い高価なカメラを買い足す金銭的余裕はまったくないので、いまの手持ちの機材の中でそのあたりこだわってみようと今は考えている。
PEN-Fで撮る時も、X-Pro1で撮る時も。そして、Nikon Dfで撮る時も、カメラを変えてもこれらの「モノクロ」「50mm」「光と影」という要素へのこだわりは変えない。そうやってひとつの「型」にこだわってみれば、何かまた新しい発見があるんじゃないかと思うんだよね。そうやって考えると、Twitterなんかでも僕の身の回りにはモノクロにこだわって撮っている人がけっこういる。そんな人たちの写真や思想みたいなものを少し注意深く観察していけば、それもまた楽しいんじゃないかと思うんだよね。とはいえ、ふとカラーで撮りたくなる時もあるだろうから、この縛りは少し緩やかなものにしておく。緩やかにじぶんを縛る、そういうカメラとの向き合い方。さて、どんな新しい発見や気づきがあるだろうか。今から楽しみでならない。