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フィルムライクにマニュアルで一枚一枚じっくり撮る写真も豊かでいいものだけど、写真はやはり「量が質を生む」ところも確かで、流れるようにたくさんシャッターを切るスナップシューティングも格別だ。
とにかく「たくさん撮る」という点において最高のカメラといえば、RICOH GRを筆頭にあげて間違いないだろう。
もう少し正確に言えば、GRは無意識のうちにたくさん撮ってしまうカメラ。やれ水平など関係ない。ピントだってまあどこかに合ってればいい。ブレてもそれはスパイスだ。ファインダー代わりの背面モニターは、どうせ見辛いのだからほぼ見ない。
そんなだから、連写シャッターでもないのに、気がつくと通りひとつでじぶんでも驚くくらいシャッターを切っていたりする。そう、たくさん撮ろうというより、いつの間にかたくさん撮らせているカメラなのだ。
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こういうカメラはコンデジで他にもあるんじゃない?と言われそうだけど、僕個人的には似たカメラは存在しない。その生態系はGRならではのもので、長年にわたって煮詰められたその性質は、他所のカメラが簡単に真似できるレベルではない。
GRというカメラは、たくさん撮らせるという意味においては「フィルムからデジタルへの転換が最も成功したカメラ」かもしれない。もちろん、ファインダーがあるに越したことはないが、まあたぶん、あってもほとんどの人は覗かずにヒュンヒュンとシャッターを切っているはずだ。
それでいいのだ。とにかく、まばたきするより数多くシャッターを切るためのカメラがGRなのだから。
なんか最近、写欲が落ちてるなと感じている人は、GRを手にすればいい。とにかく四六時中、GRだけ持って過ごせば、いつの間にか大量の写真に囲まれ、その中のいくつかの写真にグッと心を鷲掴みされるのだ。
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そろそろGR4の噂が出てもいい頃だが、どうだろう。ただひとつ言えることは、GRの根本の精神性はどの世代でも不変なんで、初代GRでもGRIIIでもその魅力は変わらない。要は「道具」として体の一部のように扱えばそれが一番だ。
小さいのはボディサイズだけ。恐ろしいほど大きな野望を詰め込んだカメラなのである。
◎GRIIIもまた入手困難な製品となりつつあるんで、以下には初代GRとGRIIを紹介しておく。