まあ、こういうのは惚れたもん負けというか、気に入った愛機を自画自賛したような少し饒舌気味な語りなんで、そのあたりは心温かく軽く受け流してほしい。
もともとX-Pro3のDRブラックにゾッコンで、販売が終了したいまはむしろそこに希少性なる価値も感じている。というか、こんなクレイジーに振り切ったカメラは、今後もう製品化されることはないだろうと思っているからなおさらだ。
そんなX-Pro3に、これまた趣味の遊び心を鷲づかみしたようなレンズ、マップカメラ30周年モデルの限定SCノクトンがくっついたわけだから、もう〈振り切ったカメラ×振り切ったレンズ〉みたいなもんで、個人的には思い入れが倍増しているのだ。
カメラとレンズはたしかに写真を撮る道具に過ぎないが、たかが機材、されど機材。そういう特別な気分で持ち出す機材なら、どことなく撮れる写真にもポジティブな空気が写りこむと僕は考えている。
このSCノクトンは、全体的にマットな塗装が施され、なんともいえない存在感を静かに放つ。そして特徴的なちりめん塗装のスリットフードに綾目調のローレットがピリッとスパイスとして効いている。
X-T5やX-E1にも装着して抜群のフィット感があったが、やはりいちばんはこのX-Pro3と組合せた絶妙なルックスだと思う。なんというか、いい感じにラフでワイルドな質感を漂わせ、そこは端正なM型ライカとも異なるオーラを放つ。
X-Pro3は販売を終了し、SCノクトンは限定300本しか存在しないことを考えると、おそらくもう二度と見れない組合せの勇姿でもある。古いカメラのノスタルジック感を楽しむのもいいが、こうして現在からじぶんでノスタルジック感を育んでいくともいうのもオツだ。
同じようなことを考えている人が少なからずいるのか、SNSなんかを見ても、このレンズでX-Pro3を連れ出す人たちの数が増えている気がする。写真を撮りたいからカメラを持つというのもあるが、カメラを持つことで写真を撮る、ということもあるのだ。
さて、あなたの思い入れのあるカメラとレンズの組合せはなんだろう。ぜひSNSなんかで、どこかの誰かのために静かにその勇姿とそこに込めた愛のようなものを披露していただきたいものだ。それで、刺激をもらう人がまたきっといるのだ。
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