ロードバイク

ロードバイクのサングラス越しの世界は、ファインダー越しの世界に少し似ている。

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最近このブログをのぞいてくれた人には僕はすっかりコンデジ=RICOH GRの人になっていると思うけど、つい2ヶ月前まではフルサイズ一眼レフで撮っていた人でもある。使っていたのはNikonのD750。少々大きめの乾いたシャッター音が気に入っていたのと、何よりファインダーの中の密度のある世界が好きで、週末はD750と花や風景を撮ったり、息子のサッカーの試合を望遠で撮ったりしていた。なかなか気に入っていたのだけど、カメラが増え、レンズが増えてゆく間にだんだんとどれも使いこなせていない自分に気づき、カメラはGRだけに集中することにした。ロードバイクに乗る時間を最優先した週末にしたかったことも大きいかな。

そんなこんなでファインダー越しの世界から離れてしばらく経つんだけど、最近ロードバイクに乗っていてサングラス越しに見える感覚が、なんかファインダー越しの密度のある世界をのぞいていた感覚に近いなと思ったりしている。ロードバイクに乗る人は分かると思うけど、時速30kmくらいまでスピードがのると、辺りの景色はだんだんと見えなくなってサングラス越しの10メートルほど先の凝縮されたロードしか見えなくなる。その辺りを遮断したような密度のある世界が、ファインダー越しのアノ感覚とダブる。僕だけの時間、他の人には見えない僕だけの光景。そういう感覚が、姿かたちの全く違うこの二つのプロダクトで似ていることがなんかおもしろいなと思った。それとも、それは必然で、僕が好きな世界がそういう世界で、カメラとロードバイクはそんな僕が引き寄せたのかもしれない。

ちなみにロードバイク乗りたちはみんなサングラスをしているけど、あれは陽射しが眩しいからしているというより、風よけであり、虫よけ、ゴミよけでつけているんだよね。ロードバイクは時速40〜50kmとか出るからけっこうな風圧を浴びながら走ることになる。そうすると目をしっかり開けていないと車体をコントロールできない。僕はロードバイクを購入する時にショップの店員さんにおすすめされたShimanoのサングラスを黒レンズをはめて使っている。サングラスをはずした時は写真の場所が僕の置き場所だ。そうして背中からGRを取り出してして風景を撮ったり、水分補給をしたりするんだけど、この日はサングラスに頭上の木々が写り込んでいることに気がついて一枚撮っておいた。

ファインダー越しのあの世界は疎遠にはなったけど、代わりにサングラス越しの世界が僕に密度ある世界を体験させてくれるようになった。別れがあったり出会いがあったりじゃないけど、世の中の偶然性というか発見性みたいなものはたのしいよね。一日は誰しも24時間しかない。何かを新しく得ようとすれば何かを捨てる必要もあったりするけど、それは気づきのアップデートとしてはとてもポジティブなものだと思っている。世界は前にしか進んでいないからね。

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