ここのところ僕が手に入れているカメラは、どれも小さく軽いものばかりだ。RICOH GR digital II/III、SIGMA DP2 Merrill、OLYMPUS PEN-F、OLYMPUS PEN S、Leica digilux zoom、そして重さはあるもののコンパクトな2台目のLeica IIIa…強く意識してたわけじゃないけど、それで自然とこうしたカメラたちをチョイスしてるんで、むしろ本能的に軽量コンパクトなカメラを求めていた証かもしれない。
首から下げても苦しくない。片手で持っても重くない。鞄の中に入れても邪魔にならない。軽量コンパクトなカメラの恩恵は、実はけっこう計り知れない。小さく軽いカメラを持てば、あと少し撮り歩いてみよっかと気分もどこか軽快になる。そのヒラヒラと浮遊したくなる感覚こそが、スナップカメラとしては最高性能と言えるから。撮らない日があってもいい。けれど、突如として撮りたいというシーンに遭遇した時に、カメラをちゃんと持っていて、サッと構えて撮れるということが、何よりたいせつなんだよね、もう一枚を撮る心持ちとしてね。
いま、僕はそんな気分でもあることもあって、M型デジタルLeica M-P typ240を街中に持ち出す機会が減った。あの極上の光学ファインダーの眺めと凛としたシャッターフィールは相変わらず最高なわけだけど、やっぱり重い。自然と体が求めるカメラとして、マイクロフォーサーズやコンデジに手が伸びるんだ。その分、Leica M-P typ240のほうは、休みの日にゆっくりと堪能するカメラへと少しポジションを変えている。まあ、今のところの気分だけどね。
そういえば、小さく軽いことを好む傾向はレンズにも当てはまってきていて、最近またオリンパスのボディキャップレンズを買い戻した。以前は換算18mmのフィッシュアイタイプを使ってたんで、今度は換算30mmの汎用性のある広角スナップタイプに。久しぶりにPEN-Fに装着してみたけど、これこそ小さく軽いを極限までカタチにして見せた隠れた逸品。もともと薄かったPEN-Fのボディの良さがさらに際立つ良さがある。こうなると、近ごろ人気のFUJIFILMのコンデジ X100Vなんかにも匹敵する軽量コンパクトさじゃないかと自画自賛したり笑。
物理的なことでいえば、軽量コンパクトなカメラは一台あれば十分なんだけど、僕は数台を使い回している。ある時はとにかく携帯性最優先でGR digital。でも、ある時は写りの濃密さを優先してDP2 Merrill。そして、ある時はレンズ交換の楽しみも加味してPEN-Fを選んだり。そうして、同じ軽量コンパクト機でもシチュエーションに合わせて機種を入れ替えることで、その時々で十分な満足感を得ることができる。小さなカメラだからといって性能が小さいわけじゃなく、むしろ得るものはとても大きかったりする。カメラとはその時々で生きてるっていうか、生モノだなとつくづく思うのである。