といっても、過去にエルマーで撮っていたわけではない。このMマウントのエルマー50/3.5は僕の手元に来たばかりだ。それでも、エルマーで撮るとどことなく懐かしい気がする。フィルムのせいかな。建物が古いわけでもないのに不思議なもんだ。
週末はデジタルのM-Pにつけて撮ってみたんで、今度は本命のフィルムライカにつけて撮ってみようと、M3に装着して仕事鞄の中に入れ、移動の途中のストリートを何枚か撮ってみた。エルマーをつけると何というか撮影ペースがいつもよりゆっくりになる感じもいい。
カメラがM3だったのも気持ちよかったのかな。M-Pより軽く、そして薄く、手の中に絶妙におさまる感じ。シャッターの巻き上げも、シャッター音も、実になめらかでM3にしかない撮影フィーリングを堪能させてくれる。いや、正確にいうと僕はM型フィルムライカはM3しか触ったことがないから、そのあたり想像の域ではあるけれど、でもまあM3の感触は撮る者に節度みたいなものを提供してくれる。
エルマーとフィルムの描写はやはりデジタルライカの時よりまろやかだ。フィルムがLomography400であることも大きいと思うけど、朝夕の光で撮るともっとやさしい街の表情を写し出してくれるんじゃないかな。ストリートのスナップを撮りたいけど、ソリッドな描写はちょっと苦手という人にはもってこいのレンズチョイスかもしれないね。
というわけで、さらりとElmar M 50/3.5で撮った写真をポストしてみた。本来は静かに自然と向き合う時に相性のいいレンズかもしれないけど、バルナックライカと赤エルマーとの描写の違いなんかも確かめたかったから、ストリートスナップ篇でした。やっぱりなかなか心に染み渡るよさがあるよ、エルマー。