今更かよ、って言われそうだけと、今更なのだ。何気なくKonica FSとOM-1Nを連れて散歩カメラへ出かけてたんだけど、Konica FSから持ち替えたこともあるかもしれないけど、このOM-1Nの使用感としての超絶の素晴らしさに満たされたというか、これは凄いカメラだぞと。
まず何よりファインダーが美しい。大きく明るく迫力がある。直接比べていないんで感覚的な話で恐縮だけど、僕が所有する最高のファインダー機 Nikon F6に匹敵するんじゃないだろうか。細かな差はあるかもしれないけど、のぞいた世界観は互角と言っていい。そして、シャッター巻き上げの感触とシャッターフィール。これは、表現がとてもむずかしいけど、凄く精密なんだけど上品さとライトさをはらんで撮り手を緊張させないものがある、とでも言えばいいだろうか。
この感覚を、一眼レフの中でもひときわコンパクトなボディをもってして、手の中でギュッと濃縮して撮る楽しみを感じさせてくれる。この感覚は所有するNikon F2なんかとはやはり違う。たぶん近いのはNikon F3あたりのモダンさだとは思うけど、OM-1はより洗練された印象が僕にはある。製造年がそもそもモダンであるというのがやはり大きいのかな。それにしてもOM-1、これは精密さを求める男性にも、そして上品さを求める女性にも圧倒的におすすめな一台だと確信したなあ、ほんとに。
ひとつ留意点があるとするなら、それはレンズ。OM-1を手に入れるならレンズの精密さにもこだわったほうがいいと思う。というのも、OM-1は絞りだけじゃなくて、シャッタースピードの操作もレンズ側で行う。露出と距離のすべてはレンズ側にて左手だけで操作するから、右手はシャッターを押すことに集中でき、ファインダーから目を離さず撮影にのぞめる。つまり、OM-1の操作感の気持ちよさは、レンズの操作感もセットなんだ。
僕のOM-1NにはZuiko 50/1.4がついてるんだけど、きょう確信したのはこのレンズのヘリコイドのスムーズさとか、とにかくレンズの操作感も超絶気持ちがいいぞということ。僕はOM-1Nとセットになったこのレンズを一緒に手に入れたけど、前オーナーの手入れの良さにほんと感謝してる。このボディとレンズの気持ちよさがセットになって提供されるのが、OM-1のもたらすとんでもない使用感の素晴らしさなのである。これからOM-1を選ぶ人は、レンズの程度の良さにも徹底的にこだわってもらえたらと思う。
きょうはすっかりOM-1Nの露出計を使わなくなったじぶんがいて、体感露出でスパンスパン撮っていた。単純に僕が面倒くさがりなのと、露出計をいちいち見ないほうがリズムよく撮れるんだなあ、僕の場合。その分、写真は甘くなるかもだけど、僕が大事にするのはリズム。だから、良しとしてる。露出計を使わなければ完全機械式シャッター機だから、それでいてこの滑らかなシャッターフィールはほんと凄い精密機械であり、製品思想だと思うよ。このカメラは手放さない、最後に残すカメラのひとつへ躍り出た。Olympus OM-1、これは別格だ。