フィルムカメラ

中古カメラという最高の遊び道具に出会って。

Canon F-1

「中古カメラ」が欲しいという概念なわけじゃないんだけど、いまの時代にフィルムカメラを手に入れようとすると、必然的にほぼ中古カメラということになる。一部、ライカやニコンから現行品としてフィルムカメラがラインナップはされているけど、いずれも希少価値のあるカメラとしてかなり高価だしね。

で、僕もフィルムカメラを手にするようになって、この「中古カメラ」というジャンルがいまは日々の中に自然と溶け込んだ存在になっている。逆にいえば、フィルムカメラを始めるまでは、カメラは新品で買うものという意識があって、事実、それまでに手にしてきたデジカメはすべて新品で買ってきたものばかりだったからね。

Nikon FE

それが、いまでは「新品か、中古か」なんて意識もしなくなった。中古を扱うお店のほうが「カメラ屋」で、新品のデジカメを扱うのは「家電量販店」という意識があるくらいだ。にんげんの価値観というか認識は、ライフスタイルによってあっという間に変わるんだなと思う。

中古カメラがいいのは、そのなんともいえないヴィンテージ感やノスタルジック感まで「も」楽しめること。「も」と書いたのは、目的は写真を撮ることで、中古カメラ店でショーケースに入って売られているものは、そのほとんどが「実用品」であり、きっちり整備されたフィルムカメラなら、いまでも十分すぎるほど精巧な写真を撮ることができる、ということ。

Olympus PEN EE2

いや、写りについては、むしろ現在のデジカメよりも素晴らしいかもしれない。なにしろ、このフィルムならではの写真の質感に魅せられて、デジカメと比べて少し手間やコストがかかることを承知のうえで、フィルムカメラで撮る写真を楽しんでいる若者たちもたくさんいるわけだからね。

それと、このフィルムカメラ=中古カメラが良いのは「値段が安いこと」なんだ。僕はこれが実はすごく重要な要素だと思っていて、新品のデジカメだとどんなに安いものでも数万円はするのに対して、フィルムカメラは数千円で手に入るものもかなりある。しかも、それは決してチープなモノなんかじゃなくて、数十年経った今でも実用品として使えるような精巧な作りの、いわば匠の品々なんだよね。

Kodak Signet35

そりゃ、ライカやハッセルブラッド、ローライフレックスあたりの有名なカメラだと十万円を超えるようなモノもあるけど、それでもデジカメの中級機あたりが買える値段で、かつての世界の名機たちが手にできるのは驚愕といってもいいかもしれない。そんな当時の高級機でもそれくらいの値段で手に入るわけだから、当時の国産カメラや大衆機なら、どうだろう、高いモノでも二、三万円で、安いモノなら数千円で見つけられるだろう。

そうやって、少ない予算で掘り出し物的なカメラを見つけるのもまた「中古カメラ」の最高の楽しみなんだよね。僕は、その「掘り出し物的カメラとの出会い」が好きで、結果的にクラシックなカメラが増えてしまってるクチかもしれない(言い訳笑)。でも実際そうだからね、当時なら高価で買えっこないようなカメラたちが、今ならなんとか小遣いの範疇でいくつも試すことができるし、それでいて写りは文句のつけようがないレベルなんだからね。ほんと、奇跡のような時代を楽しめてるわけだ。

Kowa SIX, 85/2.8

だから、多少フィルム代や現像代、スキャニング代なんかのランニングコストがかかったとしても、このフィルムカメラ=中古カメラという素晴らしい体験を、ぜひ一人でも多くの人に知って欲しくて、こうして懲りずに日々ブログを書いていたりする。

そうそう、フィルム代が気になるようなら「オールドデジカメ」という楽しみ方でもいい。十年以上前のデジカメが中古カメラでなら、それこそフィルムカメラと同じような安さで手に入るから、それもまた掘り出し物的カメラとの出会いという意味ではなかなかのおもしろさが味わえる。昔のデジカメはセンサーもフィルム的質感の名残が感じられるCCDセンサーを積んでたりして、この写真の味合いもまた格別なものがある。僕もすっかりその世界に魅せられて、フィルムカメラ同様に楽しんでいる。

Olympus OM-1N, Zuiko 50/1.4

そりゃね、写真を記録するという意味ではスマホカメラがあれば事足りることは間違いないけど、この「時代を巻き戻すような中古カメラとの出会いと、そのカメラを操作して得られるノスタルジックな写真体験」というのは、やはりカメラという道具を手にしてこそ得られる、代わりの効かない特別な体験なんだよね。

なんというか、例えば特に趣味がなくていつも暇なんだよな、なんて人こそ、ぜひ一度「中古カメラ屋」をのぞいてみてほしい。そして、気さくにカメラ屋の店員さんに声をかけて、フィルムカメラに触らせてもらったり、その使い方やカメラの歴史なんかの話を聞いてみてほしい。大抵の店員さんはもうカメラ好きな人の代表みたいな人たちだから笑、嫌な顔せずに嬉しそうにいろいろ教えてくれると思う。

Nikon F2, Konica C35

そして、安くていいから「ビビッと直感でいいなと思った安いカメラ」を一台買って帰って、YouTubeなんかでフィルムの入れ方(僕のYouTube再生リストもあるよ)なんかを恐る恐る?確かめながら笑、準備が整ったら、光のあふれる近所の公園なんかにカメラを持ち出して、ふとした普通の一枚をシャッターに収めてみてほしい。撮ったその場ではどんな写真が撮れているか確認はできないんだけど、その我慢のご褒美というか、現像に出してあがってきた写真と対面した時には、もう嬉しさで涙がこみ上げてくるような感動があるから。

中古カメラってね、単に古いモノじゃないんだ。むしろ、時間をかけないと決して得られないビンテージワインのような濃厚な香りと舌触りが味わえる、年代物の価値あるカメラたちなんだ。ワインなら相当プレミアム価格になるようなテイストが、数千円で手に入る世界。試さない手はないよね、ぜひ魅惑の世界をのぞいてみてほしい。こんな僕でアレだけど、断然おすすめする。

 

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