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新しい年を迎えて、皆さんはいかがお過ごしだろうか。僕はといえば、あいかわらず今年もカメラと時空を超えて楽しんでいる。
そう、今朝はオールドレンズ「Elmar」と遊んできた。ライツのレンズの中でもベーシックにして「エルマーに始まり、エルマーに終わる」と言われる、なんとも不思議な魅力を持つレンズだ。
このエルマー、ふだんはバルナック型のLeica IIIaに装着していることが多いが、昨夜からなぜかエルマーで撮りたいという思いがメラメラと芽生え、だったらとご覧の通りサクッとSONY α7Rにつけて、朝の愛犬との散歩に連れ出したわけである。
いつもの変わり映えしない散歩道だから、貴重なフィルムを使うのはちょっと躊躇するところだけど、こうしてフルサイズのミラーレス機が一台あるとなかなか重宝する。
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まあ、そんなだから、特に目新しい写真が撮れるわけではない。でも、本人としてはフィルムライカの感覚と比べたり、露出をクイズのように楽しんだり、光と影の交錯をモノクロームで確かめたりと、他人が思うよりずっと興味深く過ごしている。
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数日前はオールドレンズでも明るいJupiter-8を装着してその揺れるようなボケを楽しんでいたんだけど、エルマーはそういうレンズではない。
ついつい絞り開放で撮りがちな僕でも、開放でもF3.5しか明るくないエルマーなら、おのずと少し絞って撮ることになる。それがいい。制約が僕に少し変化をもたらしてくれるから。
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ボケ好きを自負する僕がボケを阻止されると、意識は画角と光と影に向かうしかない。そういう時はモノクロームがいい。ちょっとドS的な縛りが、一周してじぶんの意識を解放してくれるんだ。
あと、やっぱりこのレンズが活躍していた時代は「モノクロームで撮るレンズ」であったろうから、そんな時代の気分をなんとなく頭の中で想像しながら撮るのが意識のリセット的にもよい。
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だったらフィルムで撮ればいいじゃんと言われそうだけど、いまはM3のほうにまだフィルムが入りっぱなしだし、冒頭で述べた通り、フィルムはいまの僕にはやっぱり貴重品なんだ。
とはいえ、デジタルで撮ることは全然妥協なんかでもない。実際、フィルムで撮るエルマーとデジタルで撮るエルマーとでは、やっぱりその性格に違いを感じたりで、これもまた大人の実験と科学としては興味津々の事象なのだ。
まあ、他の人からするとどうでもいいような事象なんだろうけど、いいのいいの、試してる本人としては案外壮大な時空を超えた実験を楽しめてるので。
そして、カメラとレンズは、そんな大人の些細だけど壮大な実験に、そっと静かに寄り添ってくれるのである。