![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/7DB23B88-2CB7-46BF-A4C5-7C0576FE1E7D.jpeg)
それにしても、スナップシューターとして「軽さ」というのはほんと重要で、僕はLeica M-P typ240をもっと街撮りに連れ出したくて断捨離したのに、気がつくとその後に購入したコンパクトなFUJIFILM X-E3を頻繁に持ち出している。平日の仕事鞄にはX-E3かLeica M3が入ってることが多い。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/04D0C815-C019-40C5-87DC-7080196971B3.jpeg)
それには「街をモノクロームで撮りたい」というのが大きいかな。フィルムのLeica M3で撮る時は大抵すぐ現像できるカラーネガを使うことが多いから、モノクロームで撮りたいと思うと、手軽なデジカメをチョイスすることになる。以前ならRICOH GRやデジタルPEN-Fだったけど、今は手放して、このX-E3が僕の街撮りスナップ用のコンパクト機だ。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/6A3612E2-C385-4883-91B8-7D5E8E6AFC0D.jpeg)
装着レンズとセッティングもほぼ固定してきていて、Color-Skopar 35mm F2.5 C-typeとフィルムシミュレーション「ACROS」の組合せが定番だ。カラスコは焦点距離35mmだけど、APS-C機のX-E3では換算50mmちょいの画角になり、僕が好む50mmの延長線上で撮れるところも気に入っている。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/25F53BE5-F0D2-40B1-99F6-7F137CE0A002.jpeg)
あと最高なのは、なんといってもフィルムシミュレーション「ACROS」。ふだんフィルム撮影を好む僕の思い入れも多少あるかもしれないけど、国内唯一のフィルム取扱会社が送り出すモノクロモードは、やっぱり他社のモノクロモードより、その階調や粒状感(ちなみに僕は設定を強にしている)もひと味違うというか、RICOH GRのソリッドなモノクロームより、フィルムらしい揺らぎや優しさが滲み出たモノクロームに感じる。どうだろう。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/6377EE45-810E-4825-B37A-7DD1E3CEBA55.jpeg)
まあ僕が好んで夜ばかりを撮るから、どこまで参考になるかは分からないけど笑。仕事終わりに撮ることが多いから自然と夜スナップが増えるし、夜となると高感度でいけるデジタル、さらにサラッと片手で撮れるコンパクトなX-E3は最強の相棒になる。レンズ交換可能でファインダーもあるコンデジの中では最小の部類で、僕の理想をすべて凝縮した一台と言っていい。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/2600EC01-43E9-441B-91DE-53F3810F3244.jpeg)
全身ブラックで暗闇に紛れられるのもいい。というか、僕の街撮りスナップにおいては、このポイントは絶必だ。ブラックボディのカメラとレンズだと、心なしかシルバークロームのLeica M3を街中で構えるより、目立たず周囲が放っておいてくれる印象がある。ブラックでも一眼レフやペンタ部のあるミラーレスだとこうはいかないと思うから、その点でもX-E3は優秀なのである。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/409EF53B-3FAE-4419-9AC4-50B14F8D2B7D.jpeg)
写真は当たり前だけどシャッターを切らないと撮れない。周囲に人がたくさんいる街中で僅かでも躊躇してカメラを構えずにいれば、それだけシャッターチャンスは減り、撮れる写真の数も減る。ちょっとしたことに思えて、これが積もり積もるとかなりスナップ枚数に差が出る。そう考えると、持ち出しやすくて、取り出しやすくて、構えやすいカメラというのは、スナップシューターとしての資質のいちばんの肝じゃないかと思っている。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/634E60C6-3C5B-429A-940E-2C14DA49BE03.jpeg)
フィルム機ではなくデジタル機で撮る良さは、その手軽さでもあるからね。フィルムで夜スナップとなるとそれこそ息を止めて撮らないと露出不足やブレブレの写真を量産しちゃうけど、デジタルなら感度をあげて割と乱暴にヒュンヒュン撮れる。まさに街を流しながら気軽にシャッターを切ることができるから、どうせならたくさん撮らないともったいないしね。フィルム代や現像代がかからないのもメリットだから。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/5EB20C1C-08AD-4AFB-80E4-033178EB35CF.jpeg)
FUJIFILM機といえば、そろそろX-Pro3が登場みたいだね。先日のプレ発表からすると、なんと背面モニター部に当たり前のようにあった大型液晶をぱっと見は隠し、フィルムホルダー的な小型液晶を備えて登場してくるようだ。Leica M-D系のように背面モニターを排除こそしていないけど、その設計にはいかにもフィルムを愛する会社らしい熱量を感じる。
![](https://kiokucamera.com/wp-content/uploads/2019/10/111FC2E4-161D-4327-A493-C7550A804BCE.jpeg)
僕は、より小さく、よりラフなX-E3を選んだけど、X-Pro3も俄然注目だろうね。なんというか、理屈抜きに「カメラらしい」ところがいいんだよね、FUJI機は。いかにもフィルムカメラ好き(ライカ好きかな?)な人たちが振り切って設計してる感じも、僕はフィルムカメラ好きには刺さる。再販で注目される黒白フィルムACROS IIの登場も間近だろうし、フィルム気分に浸りながらデジタルで街撮りスナップを満喫するというのもどうだろう。間違いなく、おすすめです。