Leica M3

Leica M3というカメラが特別な存在であることは間違いない。

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Leica M3, Carl Zeiss Planar T*2/50 ZM

カメラやレンズが増えていくと、それと反比例するように「この中からどのカメラが手元に残っていくんだろう」と考える。僕はそうだ。で、いつも思い浮かぶのが、このM3の存在なのである。あの見た目以上にズシリとくる重さ。あの金属であることを忘れさせる生きたしなやかさのフィルム巻き上げの感触。そして、シャッター音というよりはシャッターのささやきとも言えるコトッという響き。1950年代のものとは思えないクリアな光の窓枠を見ているかのようなファインダー。からだの奥底から記憶しているようなあの感触が、時に無性にM3で撮りたいと僕を刺激し、そのたびに底蓋を開けてフィルム装填する独特の儀式へと僕を誘う。僕の手元にはかなりの数のカメラが揃ったけど、その中でも特別なカメラと言われれば、このM3になるんだろうなというのを再確認する。

僕が50mmという焦点距離を好むのも、このM3のせいであることは間違いない。スナップを好む人は比較的、焦点距離35mmをメインとすることが多いと思うけど、M3を使っている以上は、おのずと50mmが日常のフレームになる。同じフィルムライカでも35mmで撮れるM2を手にしていたら僕のカメラ人生はまた少し違ったものになったかもしれないけど、M3を手にしたことはある意味運命だったんだろうと思う。

M3以降、手に入れたカメラたちのほとんどは50mmのレンズをつけている。28mmや35mmのレンズも持ってはいるけど、気持ちよく撮れるのは50mmだし、そこには常に50mmのブライトフレームのアノ感覚がある。とはいえ、理屈的に書くとこうしたいくつかのM3を特別視するポイントがあるけど、実際にはそれらのすべての要素が説明しづらいくらい合わさりあって、特別な存在感とM3で撮りたいという衝動を生み出す。僕は今、いろんなカメラやレンズを試してはいるけど、最終的にはこのM3を核としてバルナックIIIaとデジタルライカM-P〈typ240〉が手元に残るんじゃないかな。つい先日、Bessa-Lを18台目のカメラとして迎え入れたばかりだけど、ここ数日間、ふとそんなことを考えている。衝動買いの反省かもしれないけど笑。

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