写真家の渡部さとるさんが展開しているYouTube「2B Channel」に、我らがカメクラの診察医、ドクター赤城さんこと赤城耕一さんが登場されている。しかも、三連発で。
赤城さんの文章はカメラ雑誌で見ない日は無いし、カメラ関連書籍もたくさん出されているんで、文字で見る赤城さんはおなじみだけど、僕は赤城さんにはもちろんお会いしたことがないので、こうして映像と肉声で写真のことについて語られている感じはとても新鮮でタメにもなる。
まずは、赤城さんが語る「カメラ雑誌とはなんぞや」的な話。渡部さとるさんとは旧知の仲なんだろうね、懐かしくあたたかいお二人の語り口で、アサヒカメラをはじめとする往年のカメラ雑誌や、その当時の写真業界のことが語られていく。カメラをずっとやってきた人には懐かしい記憶だろうし、最近カメラを始めた人には時代をさかのぼる楽しさがあると思う。
続いては、いよいよ赤城さんの作品の紹介。カメラは中判6×6、そこから赤木さんはそれらの作品たちを「録々」と題して展開されている。カメラ雑誌の巻頭企画ではおなじみの赤城さんの真四角写真だけど、これだけふんだんに、しかも撮影機材の解説付きで話が聞ける機会はそう無いと思う。そう、相当貴重な映像なのである。なにげなく撮られているように見えて、どれもキレが凄い。それにしても、さすが自称カメラ博愛主義者の赤城さんだけあって、撮影機材のバリエーションももの凄いのである笑。
そして、その作例解説の第二弾だね。ここでは、僕が一枚目にアップしている写真のKowa SIXも出てくるし、合間にOlympus デジタルPEN-Fで撮った作例なんかも出てきて、あらためてそのバリエーションの多さに驚く。赤城さんはほんと、カメラ好きなんだろうね。たぶん使いきれないほどのたくさんのカメラやレンズをお持ちだと思うけど、こうして外に連れ出してやろうという愛が感じられるんだよね。使うことが最高のメンテナンスだしね。
カメラっていうのは、やはり最高にエモーショナルな大人の趣味だなってあらためて思う。もちろん、渡部さとるさんや赤城耕一さんはプロではあるんだけど、その根底には写真とカメラが大好きな少年の匂いがプンプンするのである。趣味だから、そこは利便性とかよりはむしろ手がかかるモノ、不正確であることの冒険的要素があったほうがおもしろい。クラシックなカメラたちはまさにうってつけなのである。
この動画たちを見ると、異様にブローニーで撮りたくなるよね。写真を撮りたいという欲求をさらに後押ししてくれる「あのカメラで撮りたい」という気持ち。なかなかフィルムで撮り続けるのは困難な時代になりつつあるけど、いつまでも残るといいなあ、この感覚。