朝からアマゾンでフィルム価格を確認してたんだけど、36枚撮り10本セットでギリギリ¥6,000台のフィルムを見つけてちょっと安堵したり。
そう、フィルム価格はここ数年ジワジワと上がっていて、タイトルに「せっかく」と書いたのは、いまならまだフィルムが体験できる範疇にあるから。
ひと昔前までは、僕が愛用していたフィルムなんかは24枚撮りとはいえ一本¥200程度だったから、もうそれこそ湯水のようにフィルムを使って四六時中スナップしていたけど、いまはさすがにフィルムは少々貴重なものとして、デジタルの合間にたまに使う感じになってきた。
それでも、生活の中にフィルムがある日常というのは、やはり素晴らしい。
クラシックなフィルムカメラに、カチャカチャと懐かしい音を響かせながらフィルムを詰めて、ギーコギーコとダイヤルやレバーを操作して、カチャンとシャッターを切る。
子どもの頃に手作業で工夫していろいろ遊んでいた頃のような、なにかとてもクリエイティブな脳が動いていることを実感する。
不思議なのは、スマホやデジカメだと短時間にあれほどシャッターを切りまくるのに、フィルムだと36枚でも十分すぎるくらいの時間、カメラと写真の時間を楽しむことができる。
だから、フィルム価格が高騰したといっても、楽しむ深さでいうとまだまだコスパはいいというのが、フィルムをおすすめする理由だったりする。
なにも高価なカメラを買う必要はない。ライカなんかは別格だけど、フィルムカメラは例えばプラスティックボディ時代のオートフォーカス機とかであれば、数千円で買える。
僕はNikonのF-801というフィルムカメラを使っているけど、シャッター速度が最高速1/8000秒で切れる当時のハイアマチュアモデルだから、まるでデジカメのように至れり尽くせりでフィルム写真が撮れて、注意するとすれば撮りすぎることくらいだ。
アナログな操作を楽しみたいなら、フィルム時代の一眼レフ機はやっぱり趣があって素敵だし、いつも鞄に入れて持ち歩くならフィルムコンパクトカメラは、それこそ当時の日本のお家芸でお洒落で高品質なものが今でもたくさん手に入る。
フィルムって、始める前はいろいろと手間がかかりそうというイメージがあるんだけど、始めてみるとちょっと拍子抜けするほどシンプルで簡単に楽しめる。
で、現像から上がってきた写真と対面するドキドキ感やワクワク感、そしてプリントしてハッとするこの世のものとは思えない美しい光と影の交錯、あとなぜかフィルムで撮ると撮られた人たちもとても自然体に写っていたりして、なにか得るものが段違いに多いのがフィルムの魅力なのである。
世の中がすっかりデジカメの時代、いやスマホカメラの時代になっても、いまだにフィルムカメラで撮る人たちが多いのは、やっぱりそれだけの価値と魅力があるということ。
新しい年を迎える時期は、新しいことを始めるチャンスでもある。いろんなことにチャレンジするといいと思うけど、その中にひとつ、フィルム写真を撮るということも加えてみてはどうだろう。
その行く先々で、ちょっと鞄からフィルムカメラを取り出して、一、二枚だけサラッと備忘録のようにシャッターを切る。そして、現像から上がった写真をプリントして仲間や家族とあーだこーだ思い出を語り合う。
時間の流れ方が必ず変わると思う。もちろん、それは濃く、深く、豊かなほうへね。
◎フィルムやフィルムカメラに関しては、このブログの中でいろんなことを書いてるから、ぜひ過去記事も検索して読んでみてください。