「少々重くはあるけど」と書いたけど、まあそれは一般的にはそうだろうと書いただけで、本人的にはそれほど負担には感じていないんだけどね。実際、愛犬との散歩で片手で構えて撮っててもなんとかなるレベルだから、両手でしっかり構えて撮れるシチュエーションならそれほど問題ないと思う。
それよりも、そんな重さのことを吹き飛ばしてくれる自由さがこのズームレンズにはあるんだよね。Dレンズ時代の大三元レンズのひとつ、Ai AF 80-200/2.8D New。きょう持ち出したAPS-CのNikon D200に装着すると換算120-300mm相当の画角になるんだけど、この範囲は本当に散歩ズームとしては使い勝手がいい。歩いてる途中に飛行機を見つけたらサッと構えてシュートできちゃうしね。いや、これ、50mm単焦点で撮り慣れてる僕からすると画期的なことである。
そうやって思いっきり寄って撮ったかと思えば、さっと引きで撮れるし、これだけズームの幅があってもF値は2.8固定で単焦点レンズのような鮮やかさで撮れる。いや、これはもうほんと驚いていて、僕は以前Gレンズの24-120/f4通しを使っていたけど、やっぱりf2.8固定はまったく違う。恐ろしく単焦点ばりの描写を見せてくれる。手に入れてよかった感が凄いのである。
そりゃ撮り歩く手軽さでいえば軽量コンパクトな50mm単焦点が抜群にフットワークがいいわけだけど、実はふだんの散歩コースなんて特に変わりばえしない光景だし、広角で絵になるような景色はなかなか無い。そうすると適度に寄れるレンズ、そうかと思えばレンズ交換せずにサッと引くことができるレンズがとても重宝で、散歩向きなんだよね。僕の場合はそう。
まあ散歩のシチュエーションにもよるんで、究極の散歩レンズは人それぞれだけど、僕はこのレンズを手に入れてよかったなとほんと思ってる。手ぶれ補正が必要だと思う人は現行の70-200/2.8になると思うけど、それはそれでけっこう値段が張るし、絞り環が無いんで僕のようなフィルムカメラユーザーだとちょっと汎用性が良くない。Dレンズなら値段も安いし、もってこいなんだよね。
それにしても、この時代のNikon製品のクオリティはほんと素晴らしい。性能もだけど、そのプロダクトの質感も素晴らしい。Ai AF 80-200/2.8D Newも、D200も、僕にとっては永遠の現行現役モデルなんだな。