フィルムカメラ

フィルムは写りもシビれるが、値段の高さもシビれる。

かつての愛用フィルムだったFUJIFILM 業務用100

あらかじめ予告されていた事とはいえ、いざKodakのフィルムが値上げされてみると、そのフィルム価格の高さがなかなかのインパクトで驚きを隠せない。

昨年2021までの最安値でいうと、35mmカラーネガフィルムだと、Kodak Gold200とColorPlus200が代表的な2銘柄で、これらが大体36枚撮り10本セットで¥7.000台前後だった。

それがついに¥10,000を超える価格になってきた。つまり、一本あたりついに¥1,000を超えてきたという状況。実際の値上げ幅よりも、この「¥1,000超え」という現象がなにか心の損益分岐点を超えた、というイメージが強い。

僕自身はフィルムとフィルムカメラに出会ったおかげで、写真やカメラとの向き合い方に大きな影響を受けたから、デジカメ時代の今でも「できればフィルムを一度は通過して、写真やカメラの本質を体験してみてほしい」という人間なんだけど、それでもここまで高価になってくると、なかなか手放しで誰にでもおすすめするのは心苦しい。

それこそ年末にはこのブログでも「来年はもっとフィルムで撮ろう」という記事も書いたりしたんだけど、フィルム代と現像データ化代なんかを足すと36枚撮るのに¥3,000程度かかるから、若い人や子育てにお金のかかる世代の人たちには、手軽な趣味の値段とは言い難いかもしれない。

いや、人それぞれ価値観というものがあるから、いろんな出費をやりくりしながらフィルム関連コストに充てていくというのもひとつのあり方だけど、なにか我慢を強いてまでフィルムで撮るというのも趣味としては本末転倒な気もするから、現実的にはフィルムで撮る本数を減らしていくということになるのかな。

僕の場合は、ここ数年の間に徐々にだけど、フィルム生活にデジカメを織り混ぜ始めて、いまではデジカメが主でフィルムは大切な人を撮る時なんかにごく少数使用する感じへとシフトしてきた。強く意識してそうしたわけじゃないけど、自然とそうなっていったんで、潜在的にフィルムへの危機感みたいなものがあったんだと思う。

とはいえ、フィルムが明日から無くなるわけじゃないし、一般人が買えない価格になるわけでもない。それどころか、フィルムとフィルムカメラの人気はあいかわらず高くて、デジカメを含むカメラ人気全体を下支えする存在になっているようにさえ思える。

人気が無くなって、その結果だんだんとこの世から姿を消すモノは確かにあると思うけど、人気があるにも関わらずあまりのコスト高に手が出なくなるというのは、他のジャンルのものだとあまり聞いたことがない気がするし、フィルムとフィルムカメラの人気を考えると、なんとかフィルム価格が「使いやすい価格」であってほしいとは思うのだが…。

感覚的にはどうだろう、銘柄にもよるけどフィルム価格はあと一、二年で36枚撮り一本が平均すると¥3,000以上になる気がする(白黒のTri-Xなんかは今でも¥2,500ほどするからね)。現像代やデータ化代を足すと、一本あたり¥5,000近い金額ってことか。

なかなか僕ら庶民にはシビれる金額である。とはいえ、フィルムが手に入ることが奇跡でそれにありがたみを感じるのも事実だけど、ますます「みんなフィルムで撮ろう」とはちょっと言いづらいここ数年になるのではと思う。

日々お金をかけるものの何にいちばんコストを割くかということ次第でもあるけど、カメラや写真の良さは本来、旅行や行楽なんかのお供に写真を残して楽しむという「サブ的良さ」もあるから、フィルムとフィルムカメラにかけるコストがいちばんというのは万人には受け入れ難いしね。むずかしいところだね。

フィルム銘柄の減少と価格高騰のことは、いつも答えのない記事になってしまうんだけど、こればかりは人それぞれの思いも違うんで、なにか明快な結論は常に出ない。願わくば、趣味として現実味のある価格帯で収まっておいてくれと思うけど、さてどうなることやら。いろんな意味でシビれることが予想されるフィルム界隈である。

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