先週は初めてのKodak Gold200で自然を撮ってみたんで、今回は街を撮ってみようと思った。持ち出したのはLeica M3と初代ズミクロンだ。
これだけしっかり晴れた日中だと、シャッタースピードが1/1000までのM3と感度200のフィルムなら、当然けっこう絞って撮ることになる。そうすると、ズミクロンがとんでもなくいい仕事をするわけである。
ボケが好きな僕は、ふだんは開放付近を好むわけだけど、f8やf11、それよりもっと絞らざるを得ないようなシチュエーションは、じぶんに適度に制約を設ける感覚があって悪くない。ちょっと違った側面が垣間見れるからね。
ちょうどEEプログラムモードゆえに適度に絞ってくれるKonica C35で撮った雰囲気と似ている。そして、絞るっていいな、という感覚を覚えるのである。
それにしても、よく写る。インスタ映えするようなゆるふわ写真ではまったくないけど、このキレのある描写はフィルム写真の味なんていう概念は吹っ飛ばして、デジタルかと見紛うほどしっかりとした描写を見せてくれる。
そういえば以前、写真雑誌で読んだ記憶があるんだけど、レンズの解像の素晴らしさを比較したテストで、現代のレンズを差し置いて初代ズミクロンが最高の解像感を叩き出したと読んだことがある。こういう写りを見るとまさに納得するのである。
ズミクロンは力強くキレのある写真を紡ぎ出すとよく言われるけど、こうした写真を見ると妙に納得するし、半世紀以上前のレンズでもあなどれないことを再認識する。それはGold200の印象もそうで、黄色っぽさを気にする声も聞くけど、こうして写真たちを見ると、それもそれほど単純じゃないことも分かる。何事もじぶんの目で確かめることが必要だし、それがまた楽しいわけである。この組み合わせ、もっとたくさん撮ってみたいな。