フィルムカメラ

フィルムのお店現像、言うほど手間じゃないよ。

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FUJIFILM PRO400H

僕もフィルムを始める以前は、デジカメしか使ったことがなくて。TwitterのTLに時折流れてくるフィルム写真を見ては、いいなあと思いながらも、いや待てよ、こんな面倒くさがりの僕がその都度フィルムを買ったり現像出しなんかする姿は1ミリも想像できなくて、絶対フィルムカメラで撮ることなんか無いと思ってた。

でも、ひょんなことからNikon FEというフィルムカメラを購入して、いざ撮ってみるとそれはそれはレトロで趣のあるフィルム装填やシャッターフィールにやられたし、撮った直後に写真が見られないフィルムカメラの不完全さ?(デジカメと比べたら、という話だけどね)に魅せられたし、なにより現像があがってくるまでの時間が二倍の楽しみみたいになった。

たしかにお店に出向かないといけないから、それは物理的には移動の手間なんだけど、想像したよりは全然面倒には感じなかった。どんな写真が現像からあがってくるだろうというワクワク感のほうが、移動の手間より遥かに上回ったんだよね、感動体験としてね。

あとね、定期的にカメラ屋へ立ち寄るのもすごくいいなと思った。まあ、現像出しや受け取りに行ったつもりが、ついつい中古カメラ売り場を見てしまって、帰るときにはカメラが増えているという魔界現象みたいなものはあるんだけど笑、でもフィルムカメラが並ぶあの空間にいるとオモチャ箱を見てるようでとても気分が華やいだし、店員さんとの会話も写真を撮る楽しみを広げてくれた。お店現像って、実に心地いいライフサイクルなんだ。

いまはフィルム価格も安くないんで、自家現像する人もけっこういる印象があるけど、僕は家族との生活空間やじぶんの時間の観点から、お店現像にしてる。お金はかかるけど、けっこう多忙なこともあって、お店に現像を任せられることは物理的にも助かってる。お店を応援したい気持ちや、現像場所が長生きしてほしい気持ちもあるから、一挙両得みたいなね。カメラを始めた頃に読んだ田中長徳さんの本に、そういうことが書かれていたことを読んだのも大きい。

フィルムカメラを始めようかと悩むときにいちばんのハードルになるのは、コストと現像の手間だと思うんだけど、フィルムと現像/データ化代を合計すると一本2,000円くらいだろうか。どうかしたら、月にフィルム一本でもいけると思うし、仮に週にフィルム一本撮っても月に一万円いかない計算。それで、フィルム写真のある日常を楽しめるとしたら、趣味としてはかなりアリなんじゃないかと思う。なんてったって、消費するばかりじゃなくて、フィルム写真が残るからね。

いま、カメラ産業はなにかと苦戦が囁かれてるけど、スマホカメラがどんどん普通になってる以上、デジカメの苦戦は仕方ないと思うんだ。でも、フィルムのあの質感だけはスマホカメラでは表現できないし、フィルムカメラのあのアナログな感触もまた、デジタルデバイスではやはり得ることができない唯一のもの。カメラに未来があるとするなら、それはフィルムカメラが鍵を握ってるんじゃないかとあいかわらず思ってる。

最初はオートフォーカスのフィルムコンパクトでいいから、数千円でフィルムカメラを手に入れて、気分の赴くままになんてことない辺りの日常を撮ってみて、お店現像出しをお試し体験してみるというのはどうだろう。けっこう驚くような写真と出会えると思うよ、手作りのような味のある写真と。

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