昔はあれだけ空ばかり撮っていたじぶんが、カメラを持つようになってからはどこか空を撮るのが苦手になっていた。それは一眼レフでもGRでもそうだった。理由はわからないけど、目の前にある空の抜けた感じが上手く出せないじぶんがいたんだ。正確にいうと曇り空なんかは撮れた、なんとなく雰囲気ある感じに。それは雲の抑揚が助けてくれていたんだと思う。でも、青空はなかなか上手くいかなかった。ところが久しぶりに空を撮りたいと、連れ出したコニカc35が言った。手に入れて初めての週末の試し撮り、僕はなんとなくc35に導かれてカメラを上に向けた。でも心のどこかで、一眼レフでもGRのエフェクトを使っても上手く撮れないのに、この半世紀前のちっぽけなフィルムカメラで撮れるわけはないと思ってた。ところがきょうあがってきた初めての現像写真には、どこか懐かしいみずみずしい青空が収められていた。うれしかったな。試し撮りでちゃんと撮れることが確認できただけでもうれしかったのに、想像以上にきちんと撮れていて、噂通りのレンズ、ヘキサノンのこれが実力なんだなと思った。あいにく家の近所の散歩カメラによる試し撮りだから街撮りスナップのような写真はないけど、これなら街撮りも楽しそうと期待がむくむくと膨らんできた。C35はピントを合わせるだけのシンプルな操作だけど、だからこそ撮れる写真がある。僕はこのカメラを平日も片時も離さず、GRとともに持ち歩いて僕の日常の目になってもらうつもりだ。シュートする時は一眼レフのNikon FE、そしてフルマニュアルを楽しむ時はレンジファインダーのLeica M3で楽しめたらなと思うけど、街撮りはサッと仕事鞄から取り出して撮れるシンプルなレンジファインダーKonica C35というシーンで異なる使い分けを楽しめたらなと考えている。きょうはC35で3枚ほど街を撮った。C35はあせらず少しずつ撮影枚数を撮りためていって、フィルムを使いきったら現像に出す。そんなゆっくりとした歩幅で付き合っていけたらなと考えている。
コニカC35と撮った空は、想像以上に空だった。
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