空は四六時中、僕らの頭の上にある。あまりに身近な存在だけにどこか見過ごされてるというか、綺麗な日の出や夕暮れの写真は撮られることがあっても、それ以外で空を撮ってますという人の話はあまり聞かない。
でも、ひとり、とても大御所の写真家さんがもう20年ほど身近な空を毎日カメラで撮影されている。菅原一剛さんの「今日の空」である。
この記事はRICOH GRの企画の記事だけど、事実、菅原さんが毎日空を撮る時にいちばん出番が多いのはGRと書かれている。
それ、ちょっと分かるなあと思って、ふとじぶんも空はGRで撮ることが多いことに気づく。28mmの画角だから、自然とカメラを上に向けてナチュラルに辺り全般を撮るのに適してるんだよね。何か部分的に撮るというより、空全体を撮るという感覚だから。
逆に言うと、GRだから空を撮る頻度が増えるとも言える。ファインダーを覗き込まずに撮るその所作も、空全体をどこか無造作に切り取ることに向いているのかもしれない。僕は、実は何度も40mmのGRIIIxをお店で触ってるんだけど、購入に至らないのは、僕が28mmのGR人類なんだからだと思う。
スナップをやってると、光と影の交錯を切り取るのが楽しくて、割と地上の街並みや草木を撮るでしょ。冒頭にも書いた通り、朝焼けや夕焼け以外はなかなか普通の空にレンズを向けないよね。
でも、僕はその普通な空の感じが割と好きで、少し雲に表情があるとシャッターを切ってる。スマホカメラでも撮るけど、なんというのかな、普通の空を普通のスマホカメラで撮るとさすがに普通の写真になってしまうんで、そこはやっぱり表情が滲むカメラがいい。となると、スマホのように常にポケットに入れて持ち歩けるGRが、空カメラとしては優秀ということになるんだよね。
僕もそうだけど、郊外に住んでいるとそれほど毎日、街中のように劇的なスナップシーンや光景があるわけじゃない。でも、どこにいても空なら被写体として常に僕らの頭上にある。だから、空をもっと被写体として見直していいんじゃないかな。つぶさに見てみると、偉大な地球が感じられて、これはこれでなかなかのネイチャーフォトに思えてくる。
カメラがあると、この星はなかなか魅力的であることに気づくのである。