
どうせ散歩するならカメラを一緒に持ち出すといい、ということはこのブログでも何度となく書いてきたのだけど、きょうは「ランニングとカメラ」について少し書いておきたいと思う。
僕がなんとなく日々走るようになってから10年ほど経つけど、最初はiPhoneでランニング中やランニング後の光景を写真に撮ってTwitterなんかにポストしていた。
だから、その後にカメラを始めて、iPhoneがカメラに変わることは自然な成り行きだったと思う。
といってもランニングに持ち出せるカメラとなると、とにかく小さくて軽いことが必須になる。
だから、僕のランニングのお供となったカメラはずっとRICOH GR一択であった。

具体的にはAPS-Cの初代GRがほとんど。CCDのGR digital IIやIIIもたまに持ち出す。カメラなんて持って走れるの?と思われるかもしれないけど、GRなら無造作にランニングウェアのズボンのポケットに突っ込んで何ら問題なく走れる。
で、ランニング中に途中で足を止めて、息を切らしつつも休憩だと思って少し歩きながら写真を撮るのである。
僕のランニングとは、そういう余裕を持ったゆるりとしたランニングなんで、こうして10年以上も続いているのだと思う。
かといって、ランニング中に撮ってる写真は別に大したこと無い写真ばかりである。
道端の花であったり、地面の落ち葉であったり、まぶしい空と雲であったり。
他人に見せるほどの写真じゃないけど、でも四季が写り込む感じは、僕は好きだ。

あと、出張の時なんかも僕はランニング道具を持参するんだけど、泊まりの翌朝の早朝も、その街をカメラと一緒に走る。そうすると、カメラがあるおかげで目線が街の隅々に行くし、地図では分からなかったその土地の構造みたいなものがリアルにわかるようになる。
カメラというのは、やっぱり「目」なんだよね。肉眼では見えなかった部分が不思議と見えてくる、もうひとつの目みたいなもの。
ランニングの時はヘッドホンで音楽を聴いてることもあって、頭と体が少しアクティブになってる状態だから、撮りたいと思う光景や瞬間もふだんとは少し違っていて、そういういつもと別人のじぶんがシャッターを切る感じがまたおもしろい。
そしてきょう、僕はもうひとつ新しい目を手に入れた。それが、ズームコンパクトをポッケに入れて走るということ。

いつものランニングの相棒であるRICOH GRじゃなくて、初めてズームコンパクトのOLYMPUS Stylus SH-1をポッケに突っ込んで走ってみたのである。
いやあ、これはかなり新鮮だった。遠くのものが撮れるということが、これほどまで新鮮だったのは、なかなかの驚きだった。
GRだとズームはじぶんの足なんで、寄りの写真が撮りたかったら、ひたすらじぶんの足で近くに寄っていくしかないんだけど、遠くに見える光景にはさすがにそれほど近づいてはいけない。
ランニングの途中であればなおさらである。
でも、Stylus SH-1なら、なんと25mmから600mm相当までズームで近寄ることができるのである。
これはもはや圧巻である。もうひとつの目と言えるほどのインパクトがそこにはあるのだ。

それでいて、単焦点レンズのRICOH GRと大きさも重さもそれほど変わらないとなると、このズームコンパクトが異常にランニングのお供として有益なカメラであることに気づくのである。
まあ、ひとつ気掛かりなことがらあるとするなら、そのズームがとても楽しくて、いつのまにかランニングがウォーキングに変わってしまうという危険性があることくらいだ笑。
でも、写真を撮ることが楽しければ、ランニングの途中でウォーキングに切り替えて全然問題ないとも言える。
運動とクリエイティブな行為の二倍の楽しみが味わえるわけだからね。




都市部を走るなら、広角パンフォーカスのGRがスパンスパンと写真が撮れてお似合いだけど、家の近所を走る時なんかは道端の自然の光景にグッと寄れる高倍率ズームのコンデジは断然おすすめかもしれない。
少なくとも僕はそれ、楽しいと思った。これからはランニング用カメラはGRよりStylus SH-1の頻度が増えるかもしれない。
そして、それでなくても楽しかったランニング中のスナップが、さらに楽しくアクティブなものになるかもしれない。
このブログを見て少し気になった人は、騙されたと思ってランニングにカメラを持ち出して見てほしいと思う。
GRでじぶんがズームなるもよし、ズームコンパクトで思いもしなかった意外な視点でシャッターを切るもよし。
そこには、なかなか新鮮な世界が待っていると思う。