僕がいま頻度高く使ってるコンデジRICOH GRD2もSIGMA DP2 Merrillも、近ごろのデジカメに比べるとバッテリーの減り具合がけっこう激しい。DP2 Merrillのほうは購入前からそのことは十分認識してたんだけど、GRD2のほうも割とバッテリーの減りははやい。
どちらも十年選手のようなカメラなんで、そんなもんだろうと特に困りもしないんだけど、とにかくたくさん撮りたいという人には予備バッテリーは必須だろう。ちなみに僕はGRD2もDP2 Merrillも購入した時に予備バッテリーが付いてたんで、出動する時はバッテリー二個体制。調べてみるとDP2 Merrillなんかは、バッテリーが持たないこと前提で、新品購入時からバッテリーは二個セットになっているらしい。
まあ電池の持ちそのものの話はこれくらいにして、そのバッテリーの減り具合が僕らに語りかけてくるのは、予備バッテリーを持参しようとかそういうことではなくて「そんなに一度に大量に撮らなくていいんじゃないの? フィルム3本分くらいでいいんじゃないの?」ということ。
36枚撮りフィルムなら3本で合計108枚かな。デジカメもそれくらいの撮影枚数がほどよい一度の撮影量なんじゃないの、と語りかけてきてる気がするのである。もちろん開発者たちがそう考えて、あえてバッテリーの持ちを短くしたわけじゃないと思うけど笑、フィルム撮影ならたしかに3本も撮ればけっこうお腹いっぱいになることを考えると、これはカメラがフィルムであろうがデジタルであろうが、意外とカメラの根本的な適正撮影枚数なのかもしれない。
そういえば、たまに「デジカメでも、感度や撮影枚数を、あえてフィルムカメラと同じ制限を設けて使ってる」という人がいる話を聞くことがある。SDカード自体を極端に容量の少ないものにして撮影枚数を絞ったり、感度を最高でも800とか1600の高感度フィルムの値までしか上げないとかね。それは僕もちょっと分かるような気がしていて、それで近ごろ好んでオールドデジカメを使っていたりするところもある。
デジカメはやっぱり大量にシャッター切りがちなんだよね。いや、フィルム代を気にせずシャッターを切れるのがデジカメの良さだから、それはそれで正しいニーズであり使い方なんだけど、やっぱり一枚入魂みたいな意識はどこか薄れてしまう。そう考えると、GRD2やDP2 Merrillの少ない撮影可能枚数は、これぞフィルムライクなデジカメの楽しみ方の実は最大のポイントなんじゃないかと思ってね。
頻繁にバッテリー交換しないといけないとしても、それだってフィルム交換に比べればずいぶん容易いこと。限りのある「残り枚数」を意識しながらデジカメで撮るというのも、なかなかオツなものなんじゃないかと考えたりしているのである。僕はもともとAPS-Cの初代GRでかなり量を撮るスナップスタイルだったんだけど、もうそろそろ量の時期を通過して、次の撮り方でいいんじゃない?というような感覚もあったり。
僕のスナップスタイルのようなものがこの先どんな方向へ向かうのか。GRD2やDP2 Merrillで撮ることは、そんなことをふと考える契機にもなっている。