あらためて感動してるんだな、SIGMA DP2 Merrillの独特の描写に。撮るたびに驚かされるというか、本当に大したカメラだと思う、SIGMAという会社が送り出す「よそとは違う道を行く」というプロダクトにね。
その特異なポジションたらしめてるのが、SIGMAだけが採用してきたFoveonセンサーなんだけど、こいつが叩き出す世界はもうなんというか孤高の世界で、コンデジにも関わらず4600万画素だったかな、恐ろしい綿密さで撮る者を魅了するんだ。
そんなFoveonの名を冠した撮影ポジションに「FOVクラシックブルー」がある。Nikon機でいえばピクチャーコントロール、FUJIFILM機でいえばフィルムシミュレーションのような、デフォルトで搭載された数種類の撮影ポジションの中のひとつ。今回は初めてこのポジションで撮ってみたんだ。
その特徴はもはやこれらの写真を見てもらうしかないわけだけど、その名の通りブルーがかったクラシック調の描写ということになるだろうか。赤系のものを撮るとオレンジに振れたりするんだけど、それ以外の色味は実に奥深い色調で描写してくれる。僕はその独特の世界に一発でやられてしまったが、みんなはどうだろう。
これらの写真はすべてJPEG撮って出しなんだけど、RAWで撮って現像したとしてもこんな色が叩き出せるとは到底思えない。それくらい大胆であり、繊細であり、厳かにも思える世界こそが、このFOVクラシックブルーなんだ。SIGMAの解説も目を通さず、僕の私見だけで書いてるから、多少怪しいところはあるんだけど、それでも独特であることを表したい気持ちは伝わるんじゃないかと思う。
SIGMA DP2 Merrillという、まあ決してポピュラーとはいえない、ある種、変態が選ぶ変態なカメラだけど、このチープシックなボディデザインの中に、このとんでもない「質」をぶち込んできたSIGMAが好きだし、ニコキャノのような大企業じゃないが故にスタートアップ企業のような挑戦する感じが僕は大好きなんだな。いやあ、リスペクトだよ、ほんと、SIGMA。
追記)と、ブログを書き終えて眠ろうと思ったら、TwitterにSIGMAのCEOがこんなツイートをしていたので、それを備忘録として貼っておきたいと思う。このムービーは以前教えてもらって観た時に、本当にジンとして言葉が出なかった。カメラは素晴らしいぞ、そしてSIGMA社も素敵だぞ。
この環境で通常通り業務をされている方にも、在宅リモートワークで仕事をされている方にも、この機会に弊社が製作した傑作ショートムービー「Blur」をご紹介したいと思います。私供が監督にお願いしたのは「写真っていいな」と思える映画を!だけでした。15分で泣けます。 https://t.co/2lj09Z2ytJ
— Kazuto Yamaki (@KazutoYamaki) April 8, 2020