フィルムカメラ

フィルムで撮ることができる21世紀。

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かつての常用フィルムだったFUJIFILM 記録用(業務用)100

年に何度かフィルムにまつわるニュースが飛び込んでくるわけだけど、きょうはフジカラーの24枚撮りと27枚撮りが販売終了して36枚撮りのみになるという、銘柄が無くなるわけではない知らせだったから、フィルムファンも割と冷静に受け止めていたように思う。

“生産効率の向上や経費節減など懸命なコスト吸収につとめて生産してまいりましたが、カラーネガフィルムの継続的な安定供給の為、今回販売を終了することになりました。今後、「フジカラー 100」、「フジカラー SUPERIA PREMIUM 400」は36枚撮の製品に一本化し、販売を継続いたします。”(リリースより一部抜粋)

とのことで、ある程度フィルムブームと言えども、ピーク時に比べれば出荷量も激減しているであろう時代背景を考えると、致し方ないと思うし、「36枚撮りに一本化して、販売を継続します」という一文には多少なりともホッとするところがある。個人的には、国内唯一のフィルム販売会社としてなんとかフィルム販売を続けてくれている富士フイルムには感謝している。

僕の初めてのフィルムカメラ Nikon FE

なんといっても、現代はバリバリのデジタルハイテク社会になっちゃってるからね。子どもの頃には果てしなく未来に思えた21世紀なわけだから。Nikonのフラッグシップ機がメカシャッターレスのミラーレスになろうとしている時に、まだフィルムが使えているというのは奇跡でしかない。

でも、フィルムはただの奇跡じゃないというか、昔ながらのセンチメンタルな気持ちにかられて生き残ってるんじゃなくて、そのフィルムでしか表現できない世界が確固としてあるからこそ、富士フイルムも、そしてKodakやILFORDなんかもいまだにフィルムを供給してくれていると思ってる。

事実、僕らユーザーにしたって、フィルムで残したい、撮りたいという描写があるし、プロの写真家の人たちもその表現手法としてフィルムとフィルムカメラ、現像やプリント、そしてそれを維持する職人さんらを求め続けている。21世紀という時代に、この生態系が保たれているのは凄いことだし、21世紀はあと80年近くあるわけだけど、世紀を生き抜くのだろうかと不安と期待が入り混じる。

フィルムフラッグシップの最終機 Nikon F6

僕自身は数年前までフィルムばかりで撮っていた時期もあったけど、いまはデジカメが主になって、大切な人を撮る時にフィルムを貴重な記録方法、表現方法として使っている。写真にあげた業務用フィルムも2022年11月までは使えるし、もう100本は無いけど70本程度の135、120のフィルムがストックしてある。

フィルムカメラのほうも必要以上にたくさんストックされてるから笑、フィルムがある限りは、いや正確にいうと僕の財力でフィルムが手に入る限りは、フィルムで記憶を封じ込めることができる。

けれど、これもいつまで続けられるかは神のみぞ知るところ。コストがかかる話だから軽はずみには言えないけど、このフィルムで撮る写真体験というものを、ぜひフィルムが使えるうちに一人でも多くの人に経験してもらえるといいなと思う。そこにはやっぱり、写真のルーツとしての感慨深さが存在するから。

文中でも触れたけど、年末にかけてフラッグシップミラーレスNikon Z9が発売されるという2021年の終わり。なにか、ひとつの時代が終わり、またひとつの時代が始まることを予感させる2022年。果たしてどんな一年になるのだろうか。フィルムにとってもおだやかな一年でありますように。

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