
考えたくはないけど、何年シュリンクするカメラ業界において、いま最も苦悩して見えるのはやはりニコンだろう。僕はニコンのカメラを愛する一人だけど、それはニコンが最も「カメラ屋」らしいブランドであることにも起因している。しかし、このカメラに重きを置いていることが、企業の体力という意味では決してよろしいことではない。
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) July 25, 2020
この記事がすべてではないと思うけど、カメラ事業が仮に業績不振でもなんとか攻勢に打って出ることができる複合型の大手企業ソニーやキヤノンと比べると、ニコンはカメラが売れないと戦う資金が捻り出さないという、ちょっと妙案が思い浮かばない状況に置かれているように思う。オリンパスの次はニコン…そう言われても反論の余地がないのは、僕ら素人でも想像がつく。
このブログの中でも何度か書いてきたけど、カメラという道具はもはや普通の人たちの実用品ではない。多くの人は高性能になったスマホカメラで日々の写真を撮り、思い出として特別に写真を残したい時は写ルンですでたまにエモい写真を残す程度。そこには、最近のミラーレスカメラでもあまりつけ入る隙は無い。よほどの趣味カメラとしてはクラシックなフィルムカメラがあるしね。
もちろん、プロ機としてのカメラは残っていくと思うけど、それはもはやマーケットを大きく形成する製品というよりは、極々限られた層の人たちが使う少数高価な製品群。この製品を提供することが主力の企業経営を行なっていくことはなかなか困難なことだろう。
ただし、写真の需要はスマホカメラに奪われたとしても、動画の需要はまだまだ高性能なカメラに軍配は上がると思う。でも、だからといってこれまでのカメラの機能に動画機能が載ったからといって、カメラ自体が売れる気もしない。そこには、動画に重きを置いたSIGMA fpのような「動画のついでに写真も撮れる」、そんな動画ファーストなカメラへと形を変えていくのだと思う。
と、いろいろ書いてきたが、あくまで私見なので誤った解釈などあればお許しを。ただ、こんな風に書いてる僕自身は、あくまで写真ファーストのカメラが好きだ。古くさいと言われようとも、カメラには「カメラらしさ」を求めてしまうし、そういうスタイルのカメラに激しく惹かれる。でも、そんな単なる趣味人の戯言でニコンを救うことはできない。ニコンには現状を激しく突破する変化が必要だ。往年のニコンファンには敬意を表しつつも、まったく新しい未来を模索してほしい。「Nikon」というブランドが生き続けるために。
同意です。
「過程」を試行錯誤しながら楽しむのではなく、手軽に「結果」を楽しめれば、それで良いじゃない、というのが普通なんでしょうね。ミラーレスも、撮影結果を見ながら撮っているという点では似ている気がします。ましてや、一般的には、簡単にきれいに撮れるスマホの写真で十分ですしね。
自動車でも、昔はMTの設定が当たり前でしたが、現在では絶滅危惧種です。今後、自動運転が実現されたら、「クルマが趣味」なんて言う人はいなくなるでしょう。
この流れは止められないと思いますし、それが悪いとは思いませんが、カメラやMT車が好きな人間としては味気ないですね(腕前は初心者の時から上がっておりませんが…)。
何とか「ニコン」というブランドや、写真ファーストのカメラが残っていって欲しいですね。
趣味性があがれば、ある意味価格がつりあがっても支持される側面はありますよね。当然、広く浅く熟れるものとは違う、独特のものになっていくと思うので。ある意味、ライカのようなブランドになっていくのかもしれません。でも考えてみると、日本のカメラメーカーの中でそういうアルチザン性が最も似合うのがNikonかもしれないですよね。
若い頃、半導体の工場に勤めてました。
フォトエングラビングという工程の担当でしたが、扱うマシンはニコンのロゴが。カメラだけではないんじゃないでしょうか。
ただ今、人生初のニコン機、FAを買おうか迷っています。
そうかもしれませんね。光学企業だから今でもメガネ屋さんでNikonのレンズ見たりしますしね。そういうカメラ以外のところで企業の屋台骨が支えられるといいんですけどね。ちなみにNikon FAは僕も使っていますが、間違いなくおすすめです。
こんばんは。はじめまして。
ふと思ったんだけれど。
カメラ業界の不振というのはスマホの攻勢だけではないんじゃないかと思うに至った。
それは中古市場が満杯だからなんだよ!w
安いいいカメラが選り取り見取りだから。
わざわざ新品買うまでもなく性能の良いのが中古で一杯有るのも原因かも。
それはたしかにあるかもしれないですね。僕もオールドデジカメは好きですし。仮にそうだとしたら、小さな子どもの頃に安い中古品デジカメにさわって、カメラという道具で写真を撮るプロセスなんかを体験できれば、大人になってから新品カメラを買うようなサイクルが作れるかもしれないですね。