Leica IIIa

露出はフィルムカメラが、広角はRICOH GRが、街撮りスナップはライカが、ぜんぶ教えてくれた。

Nikon FEにフィルムを詰めて撮ったRICOH GR。

まあ「ぜんぶ教えてくれた」と言っても、僕の腕が如実に上達したかどうかは別の話なんだけどね笑。でも、そういう時間を経たから、いま、まあじぶんの思うような写真をイメージしてシャッターが切れるようになったし、カメラとレンズに撮らされるんじゃなく、じぶんとカメラの共同作業で写真を撮ることを楽しめるようになったと思う。

これからカメラを始めようなんて人は、まず間違いなくデジカメからスタートすると思うんだけど、今のデジカメはまったく意識する必要もないくらいハイテク機能が後ろ側で働いていて、カメラを持った日から割と構図の切り方とかの感性でいい写真が撮れたりするんだよね。それは、被写体に集中するという意味ではとても素敵なことなんだけど、カメラの面白みは露出をしぶんで決めてカメラの性能との掛け算で写真を生み出すところにあると思っていて。そうすると、やっぱり現代のカメラ機構の原点にもなっているフィルムカメラでマニュアル撮影する経験がとても貴重なんだよね。僕はそうだった。フィルムカメラを手にして露出と楽しくにらめっこして過ごしたことで、デジカメの楽しみ方がガラリと変わった。デジカメだけしかやってなかったら、正直「露出」のことはあやふやなままで、今でもなんとなく撮ってたと思う。きょう、実は職場の同僚のお子さんが高校の写真部に入ったと聞いたんで、機械式のフィルムカメラを一台プレゼントさせていただいたんだよね。それはお祝いでもあるけど、なんていうかな、カメラ本来の楽しみをぜひ一度経験してみてほしいなという、僕なりの経験談の伝承みたいなものなんだよね。届くといいなあ、そういうカメラ本来の醍醐味。

あとね、僕がカメラを始めてからずっと苦手としていた「広角」を克服できたのは、RICOH GRのおかげという話。GRは35mm換算で広角28mmのレンズを搭載してるんだけど、GRを初めて手にした時はあまり広角だのなんだのはよく分かっていなくて、とにかくその佇まいとスナップシューターという響き、あととにかく起動の速さが素晴らしいと聞いて手にしたんだよね。そんなもんだから、実際にGRで撮り始めて最初は苦労した笑。それが「広角」という世界。デジイチからカメラの世界に入った僕には、レンズの焦点距離といえば標準50mmから中望遠あたりのこと。それである程度撮り慣れた後に手にした28mmの世界は、とにかく広大すぎて周囲にいろんなものが写り込むし、それはそれはドギマギした。なんだ、これ? こんなんで撮りたいものに意識をフォーカスできるのか?ってね笑。でも、当時思うところがあってデジイチをすべて手放し、GRだけで過ごした一年があるんだよね。その期間にとにかく肌身離さずGRを持ち歩いていて、とにかく28mmで撮りまくった。街も、散歩道も、人も、花も、空も。そうこうしてると、いつのまにか広角の苦手意識が消えていた。というか、逆に広角がやみつきになった。ある意味フレームワークから解放されて、自由にヒュンヒュンとスナップシューティングを楽しめるようになった。そして、見た目やブランド感だけじゃない、本当のGRの偉大さに気づくことになったんだよね。今はGRIIIとまた初心に帰ろうかなとかも思ってる。

このGRでスナップシューターと過ごすことに目覚めたのは間違いないんだけど、本当の意味では街撮りスナップを加速させたのはライカだと思う。ライカは憧れという意味で最初にM3を手に入れて週末に厳かに撮っていたんだけど、その後に出会ったバルナックライカIIIaとの出会いが僕をよりいっそう街撮りスナップの道へと駆り立てた。それも、ただ街を撮るというより「ひとのいる都市を撮る」といったほうが近いかな。フィルムで夜の街を撮ることを覚えたのもシャッターショックのないレンジファインダー機で頻繁に街を撮るようになってから。「なんだ、この途轍もないオモシロサは!」と本気で思ったもんなあ。そのバルナック体験が、M3をも街へ繰り出させるようになったし、その撮影フィールの楽しさにとにかく魅せられまくって、やがてM型デジタルを手にするに至る。僕がカメラと街撮りスナップをこよなく愛するのは、まさにライカがお膳立てしてくれた世界なんだ。ライカはともすると高価なブランドアイテムというところだけに光があたりがちだけど、そこじゃない!っていうのは、ライカと街撮りが教えてくれたんだよね。腕はまだまだだけどね笑。

まあでも、どうだろう、結局はそのカメラと過ごす時間の密度というのかな。とことん向き合って、とことん試して、とことん失敗して、からだにいい時の感覚を覚えこませるというのかな、そういうことなんだと思う。カメラはね、機械というより体の一部といったほうがニュアンスが近いのはそういう性質のモノだからとも思うんだよね。僕は歳をとってからカメラと、こうした時間と巡り会ったから、いま本当に時間を挽回しているところ笑。若い頃、いや子どもの頃からカメラと出会っていたら、なにか途轍もないものを手にしていた人生になったんじゃないかなあと思うけど笑、まあそこは妄想でとどめておこう。さ、まだまだ、まだまだ、撮りまくるよ、カメラたちと。

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