最近また一段とNikonとNikkorのことが好きでね。なんだろうね、やっぱり僕の中でいちばん「カメラらしい」ということになるのかな。
僕は年齢の割にはカメラを始めたのは遅くて、初めて手にした本格的カメラはデジタル一眼レフのNikon D5300だった。単焦点レンズのAF-S Nikkor 50/1.8Gと撮り始めたカメラの世界にあっという間に魅せられて、直後にフルサイズ機D750を手に入れた。そこから少し一眼レフから離れた期間もあったんだけど、フィルム機Nikon FEを手に入れてから再びカメラの世界に引き込まれ、今に至る。
フィルムカメラを契機にカメラの奥深い魅力を再認識した僕は、以降、Nikon機以外にも国産のクラシックカメラ、RolleiflexやHasselblad、Leicaなどたくさんのカメラを楽しんできたわけだけど、常にその中心にいてハブのような存在なのが、フィルムニコン機とオールドニッコールのレンズたちであり、Nikon D200からDf、最新のZ6までNikonのデジタル機たちであった。
まあ所有数がいちばん多いから、使用頻度もNikonが必然的に多くなるというところもあるんだけど、なんだかんだこうしてNikonとNikkorが手元に集まってくる感じは、やはり僕がNikonの機材たちを好ましく思っている結果なんだろうと思う。
世の中のトレンドに目を向ければ、今やスペックやギミックという観点から見れば、Nikonより優秀だったり今風だったりするカメラやブランドはたくさんあるわけだけど、そんな中であらためてNikonのことを惚れ直しているこの感じは、僕が歳をとったせいなのか、何か守りに入っているせいなのか、それはじぶんでも分からないけど、それでも自然体でじぶんが心地いいカメラとレンズを手にしようと考えた時、最近の僕はNikonとNikkorにいちばん手が伸びる。
僕がそんな風に思うのとは少し異なって、Nikonの最近の売れ行きは苦戦を強いられているところもあるわけだけど、僕はこのNikonという会社がつくっているのは単にハイテク機器や流行りの製品なんじゃなくて「カメラらしいエモーショナルな気持ちよさ」だと思ってるから、そこのところがもっと世の中の人に伝わればいいなと思うし、これからの時代はむしろエモーショナルな感覚こそが人々の心に刺さり始めるんじゃないかと考えている。
どうだろうか。もし、Nikonのカメラを使ったことがない人がいたら、一度、レンタルしたり誰かに借りて、一人で静かに撮影に連れ出したりして濃く向き合ってみてはどうだろう。ネット記事のスペック比較とか、文字や動画のレビューでは感じとれない、Nikonの機材の中に宿る「カメラらしさの気持ちよさ」に気づくかもしれないし、それが性に合う人にはその後の人生観を変える大きな出来事になるかもしれない。