心が窮屈になったら、フィルム色の世界を見よう。
ごめん、これは僕に言い聞かせてるようなフレーズかもしれないな。毎日毎日これだけデジタル漬けの日々を送っていると、どんなに強靭な心の持ち主でも、思考が擦り切れたり、からだが不自然に感じたりすることがあるんだ。そんな時に、どんな薬よりもおだやかになれるモノがある。それがフィルムなんだ。
世の中にアナログと呼ばれるモノがほとんど姿を消していくなかで、このフィルムカメラとフィルムは奇跡的にまだ実用品として日々の暮らしの中に取り入れることができる。フィルムカメラにフィルムを装填するときの、あのカチャカチャという音は理屈抜きに人間が本来求める「ナチュラル」な趣がある。
例えるなら、デジタル漬けの生活の中にヨガをとりいれるような感覚だろうか。自然の光をとりいれて覗く光学ファインダーの世界は、漆黒の額縁の中に「あ、世界ってこんなにまぶしいのか」って日々忘れがちな感情を芽生えさせてくれる。
そうやって人間らしい道具でフィルムに封じ込めた写真たちは、デジタルではどうやっても再現しきれない「フィルム色の世界」を僕らに見せてくれる。明らかにデジカメで撮るときよりも一枚一枚じっくり撮ったであろう写真たちには、その時の撮り手の思考ものり写る。
きょうは雨ということもあって仕事鞄の中にはM型デジタルのLeica M-Pが入ってるんだけど、フィルムのLeica M3を持ってくれば良かったかなとちょっと思ってる。僕が本来の僕らしく生き返るためにね。
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