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三つ前のブログから「初心に帰りたいと思った」というタイトルで、Nikon F2アイレベルとRICOH GRD2を手に入れ直したことを書いてきたけど、その最後がこのSIGMA DP2 Merrillになる。
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正確にいえば、DP2 Merrillは初体験なんだけど、僕は過去にSIGMA DP1とDP3 Quattroを使っていた時期があって、気に入ってはいたものの、やはり大がかりな断捨離の時に二台とも手放してしまっていた。けれど、その唯一無二であるFoveonセンサーの叩き出す描写にどこか魅せられ続けているじぶんがいたんだろうね。新しいカメラはもう要らないけど、買い戻したいカメラならあるぞと考えた時に、SIGMAのFoveonセンサー機が思い浮かんだんだよね。
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SIGMAのDPシリーズはレンズ固定型で、DP1は広角レンズ、DP2は標準レンズ、DP3は中望遠と、レンズが異なる3つのボディが用意されている。僕は過去に広角と中望遠は体験していたんで、もう一度DPシリーズを手に入れるなら未体験のDP2がいいと思った。実際、僕はふだんから焦点距離50mm前後の標準レンズを使っことが多いから、その意味でも手に入れるなら35mm換算で45mmとなるDP2がいいと思った。
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そして、程度のいいDP2 Merrillがお店に入荷したことを知ったんで、実際にお店で状態を確かめ、数枚お店の前で試し撮りした際のその写りの素晴らしさにあらためて驚嘆し、満を持して購入に踏み切ったわけである。
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しかも、どうせ再びFoveon機を手に入れるなら、今度はDPシリーズの中でも根強い人気を持つ、最高峰の描写のMerrillがいいと考えていた。いわゆる改造番長などと呼ばれる画素数4600万画素のSIGMA渾身の作と言っていい機種だ。その詳細スペックはSIGMA公式HPを見ていただくとして、僕の目を通した作例としては、このブログの中の写真たちがそうだ。僕からすると、期待通りの素晴らしい写りで、手に入れ直すに値する、やはりとんでもない名機だったなと僕の本能が喜んでいるのが分かる。
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写真はすべてJPEG撮って出しだけど、JPEGでもその恐ろしいまでの写りの綿密さはやっぱり感じられて、万人ウケとは異なる道を選んだSIGMAというブランドに、あらためて惚れ直しているじぶんがいる。これはやっぱり他のブランドでは代わりがきかないということを、痛感させられる独特の描写なのである。
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せっかくだから夜のスナップも試してみたけど、これも高感度に弱いと聞くけど、ISO1600まで感度をあげればまあまあ撮れることも分かり、僕自身は昼から夜までDP2 Merrill一台でも十分に行けるなという、想像以上の出来にとても満足している。
それもこれも、僕が近ごろフィルムカメラ的に撮れるオールドデジカメの描写に魅せられていることが大きい。良く写るんだけど、写りすぎまではいかないほどよい質感を持っているということ。その好みに、このDP2 Merrillも実にいい感じでフィットしているのである。
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これだけ解像度が高いにも関わらず、現代のデジカメのような目が痛くなるような硬さではなく、どこか湿気を帯びたようななんとも生命力のある描写をするのである。こんなカメラは僕が知っているかぎり、SIGMAのFavionセンサー機くらいしか存在しない。
これで、僕の中では初心に帰りたいと思う三台のカメラが揃った。これで、もう欲しいカメラというのはちょっと思い当たらない。機材としては僕の好みのある到達点に来たという思いもある。つまり、あとは「撮るだけ」なのである。なんだか、とてもいい風が吹き始めた気がしている。