たぶんLeica IIIaを手にしてからなんだよね、人が写り込んだスナップ写真を撮るようになったのは。それ以前の僕が撮っていたスナップ写真を知っているTwitterのフォロワーの人なんかは分かるかもしれないけど、以前の僕のスナップにはほぼ人は入っていなかった。
なんとなくじぶんの中で風景写真を撮るんだと決めていたこともある。いわゆるスナップ問題のアレを意識していたこともあるし、風景を撮るほうが街中でもゆっくりカメラをかまえることができることもあって、ひたすら人の入り込まない写真ばかり撮ってた。
でも、そんな躊躇みたいなものをLeica IIIaが軽やかに吹き飛ばしてくれた。上手く言えないけど、IIIaがカメラを持って街へ繰り出すことを軽快にしてくれ、人がふつうに入り込んでる写真こそ自然な風景なんじゃないかと思うようになったんだ。
この記事の写真たちはどれもLeica IIIaとILFORD XP2 で撮ったものばかりだけど、いまではLeica M3でも人のいる風景を撮るし、かつて人のいない風景だけを撮っていたKonica C35でも今は人が入り込むことが多い。
そうして思うのは、街を撮ることは人を撮ることでもあるということ。人がいることが自然だから、その自然のありようを撮ることが街本来の姿をスナップすることだと感じ始めた。実際、人が写り込むと写真に体温が混じる気がしている。
でもテーマみたいにしてることがあるとすれば、人を撮るんじゃなくて、あくまで街を撮るということ。人を必要以上にクローズアップするんじゃなくて、僕は人「も」いる街を撮ろう、ということ。撮った後に現像を見て、想像したより人に焦点がいきすぎた写真だった場合は、こうして公開はしない。そんなじぶんの中のものさしというかテーマみたいなもの。
人がいるから街。そうじゃなかったら、人のいない自然を撮る。僕の写真はその行き来をしている。平日は街中のスナップ、週末は自然の風景のスナップ。どちらも好きだし、どちらも奥が深くてたのしい。この話はあくまで僕のスナップ観で、僕のものさしみたいなものなので、そこはご了承を。けれど、人のいる街はスナップの原点「ありのままの自然な光景」という意味ではたのしいし、豊かだと思う。