
はじめに結論を言っておこう。程度のいいNikon D70を見つけたら、間違いなく速攻で手に入れておこう。それくらい、このカメラのバランスの高さは素晴らしく、一台は手元に置いておきたい歴代Nikonの名機の一つと言っていい。
今この時代にD70に惹かれる理由としては、まず原色CCD機であることだろう。それは僕もそうだった。CCD機が織りなす「独特の色」に惹かれ、僕はこれまでNikon D200、Nikon D3000を手に入れてきた。その流れでこのD70にたどり着いたことは間違いない。
けれど、実際に手にして思うのは、CCD機であることは序章であって、このカメラを手の中に収めた時の「実に手の中で絶妙な収まりをみせる大きさと軽さ、いいモノ感」は、ちょっと他には見当たらない究極のバランスの良さを感じるのである。




いわゆる本格的カメラ感ならD200のほうが満足感は高いかもしれないし、コンパクトさでいえばD3000のほうが驚くほど軽い。でも、その両方を見事に満たしてくれる存在というのが、このD70なのである。その落とし所の絶妙さは僕の中では奇跡的なポジションと言っていい。




カメラはやっぱり表面的なスペックだけでは語れないなと。このD70の登場は2004年だから、もう15年も前のオールドデジカメ。今では信じられない610万画素という低画素機で、たぶんそんなカメラのことを語ろうものなら、誰からも「え?そんな昔のカメラで大丈夫?」と言われそうだけど、大丈夫なのである。それも、恐ろしいレベルで大丈夫なのである。




写りの良さは、これらD70で撮った写真たちを見てもらえれば、そのCCDらしい色の良さも含めて説明は不要だろうと思う。ちなみにこれらの写真はすべて一世代昔のレンズであるAi AF Nikkor 50/1.8Dで撮ったものたち。1.4Dではなくて1.8D、恐らく多くの人にとってビギナー向けと言われる廉価レンズたけど、この軽量ミニマルコンビの相性は抜群で、しかもNikonは重さやコストは落としても、写りの質は落とさない。




まあ強いて物足りない点を挙げるとするなら常用でISO800、せいぜいISO1600までの感度性能だけど、これだってフィルムカメラをやる人ならフィルム感度と同じレベルだからまったく問題ない。あと、いわゆるモノクロ撮影モードが無い時代のモデルだけど、これだって撮影後にパソコンかスマホでモノクロ変換してあげれば済む。そういうミニマルさがむしろシンプルで気持ちいいカメラなのである。
ちょっと褒めすぎじゃないかと言われそうだけど、実際に手にしてもらえればそこまで褒めちぎりたくなる高次元のバランスの良さに誰もが驚くと思う。こんなカメラを15年も前に送り出していたNikonとは、やっぱり恐ろしく職人気質なメーカーなのである。そんな名機が今なら1万円もしないような価格で手に入れることができるのである。触ってみなければ分からない、スペックに現れないNikon機の凄みの真骨頂。ぜひ一人でも多くの人に知って欲しい。これはもはや奇跡なのである。

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