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モノクローム写真というのは、実に不思議な存在というか、描写方法である。白黒フィルムしか無かった時代ならともかく、その後カラーフィルムも生まれ、いまではデジカメでレタッチも含めて自由自在に多彩な色が選べるのに、それでもいまだモノクローム写真は存在する。
モノクローム写真を撮る人たちは、ざっくりいえば若い人たちよりも年配の人たちが多い気がするが、これにしたって世代で括るのはむずかしい。実際、どんな初心者向けのカメラにだって「白黒撮影モード」は必ず存在するので。
つまり、常用撮影モードがカラーだったとしても、たまにふとモノクロームで撮りたいと思った時に、いつでも誰でもモノクロームで撮れる状態がすべてのカメラに備わっている。
これは、なかなかすごいことではないだろうか。
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僕はこれ、写真をやる人すべてに与えられた気分転換装着だと思ってる。もっといえば「心の浄化装置」のようなもの。
なにか写真がマンネリしてると感じた時とか、どうもモノの見方が素直じゃないと思う時とか、写真の中に入れるものを欲張りすぎている時とか。
写真をやっいると誰しも感じる時があるであろう、その一瞬を軽やかにクリアしていくために、軽やかなモノクロームボタンが用意されている、そんな風に考えている。
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日頃から常にモノクロームで撮っているひともいるけど、それは逆に「たまにカラーで撮ること」で同じように新鮮な空気を吸うことができる、そんなふうに言えるんじゃないだろうか。
ちゃんと作品づくりとしてモノクローム写真を追求している人たちからは怒られそうだが、僕の日常の中でもモノクローム写真はそんな存在だったりもするので、一人のアマチュア写真愛好家の考えとして嘘にはならないだろう。
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モノクローム写真は「見る人の想像力をかきたてて、それを足すことで完成する」といったニュアンスのことをよく聞く。そう聞くと、完成度みたいなものとは別の世界が見えてきて、僕なんかはちょっとホッとする。
今年はフィルム/デジタルに拘らず、少しモノクローム写真を増やしてみようと考えている。