Nikon Coolpix P900

美しいという恐怖。月もNikon Coolpix P900

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今夜も部屋の窓から見えたので、Nikon Coolpix P900でおさえる。月モードのブルー。ほかのモードでも撮ってみたんだけど、なぜブルーをチョイスしたかというと、ホワイトやピンクはあまりにも月がリアルすぎて怖かったから。P900で月を眺めると、クレーターのかたち、地球の地上からうさぎに見える月面の濃淡がかなり鮮明に見える。見始めた瞬間は美しいのだけど、じっと数分眺めていると、なんというか体の内側からゾクッとし始める。本来、地上からは人間の肉眼では見えない世界だ。見てはいけないものを見てしまっている怖さというか、人間が決してつくれないし理解できっこない造形というか。そんな恐怖みたいなものを突き抜けて超越したところに、この月の途方もない美しさは成立していると思う。

月の美しさでいえば、満月よりもちょうど今夜くらいの月のかたちが僕はいちばん好きだ。なんというか満月の整った正円より、このアンバランスなフォルムのほうが月の得体の知れなさを感じるし、なにより宇宙的だ。しかも、満月になると月全体に影がなくなり、右下のリアルに見えるクレーターの影なんかもP900では感じなくなる。全体的に明るくやさしい月面色になるのだけど、それも本来月が持つ妖艶さを隠してしまうところがあるから。この月に対する美意識と写真に対する美意識は少し似ているかもしれない。綺麗である意味引っ掛かりのない写真よりも、アンバランスで見ていて少し不安になる、どこか怖さと美しさの紙一重の線状でゆらぐ強さというか、そういう写真は心えぐられる。そして、それは人間の魅力にも言えることかもしれない。人間も宇宙の一部だから。

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