Konica FS

カメラ選びはいつも直感だけど、じぶんの嗜好性が読み取れておもしろい。Konica FSとの出会い。

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Konica FS, Hexanon 52/1.8

また新しい(古いか笑)カメラがやってきた。何処へ向かってるのかは聞かないてほしいんだけど。じぶんでも良く分かっていないから笑。というのも、僕の場合はカメラを選ぶ時はいつも直感。さして計画性はない。カメラ屋をのぞいては、その時目の前に現れたカメラへ運命みたいなものを感じたら、お金によほどの無理がないかぎり連れて帰る。

もちろん実用品として使いたいから、分かる範囲であれこれ個体をチェックしたり店員さんと完動品具合を品定めはする。でも結局のところは実際にフィルムを詰めて試し撮りしてみないと分からないから、そういう意味でも直感に頼って購入を決めるしかない。でも不思議なことに、直感で購入して失敗したということはこれまで記憶にない。運がいいのか、いちおう見る目ができてきているのかは分からないけど。いや、購入するお店が良いのかもしれないけど。

昨晩、直感で選んだのはKonica FSという小西六コニカが国内で初めて送り出したフィルム一眼レフ機だ。少し調べてみたところ、登場は1960年頃かな。Nikon Fと同じ頃。それまで海外向けに販売していたKonica Fの構造を廉価版的にシンプルにして、日本で登場したらしい。FSのFはフレックス、Sはスタンダードの意味みたいだね。そんなことはカメラ屋さんとの会話の中で初めて耳にするわけで、カメラをショーケースで見つけた時にはほぼ無知識。つまり直感で「あ、いいな」と手にとるわけである。ほぼ迷いなくね。

シャッター幕のコパルスクエアのロゴがまた泣ける。

この子の場合はもうほんと見た目。なんだ、この深い艶のある黒塗りは!という直感。そして、見たことのないKONICAのロゴタイプ(涙文字っていうのかな)と、いかにもレトロで少しアンバランスなラインのボディに惹かれる。店員さんに声をかけて触らせてもらう。と、想像したよりずいぶん元気に動く各部の状態に少し驚く。シャッタースピードは全速OK、背面を開けたフィルム室も綺麗で、コパルのロゴとさくらカラーのロゴが綺麗な状態で見て取れる。んー、いいなと。

問題があるとするならファインダーだったけど、まあ見れないことはない。店員さんとこのまま使い倒すか、それとも修理屋さんで上部を分解して清掃してもらうかとか話したんだけど、まあ直すというよりは使い倒すコンディションだろうなと。レンズもクモリがありそうだし、そこは試し撮りしてみてから、ファインダーとレンズの清掃を判断しようと思った。僕にしてはなかなか不安のあるほうのカメラ&レンズの購入だけど、それでも購入に踏み切らせるチャーミングさがこのカメラにはあった。まさに直感なんだなあ。

それと、コニカへの愛着というのもあった。すっとフィルムコンパクトのKonica C35を使ってきてるから、レンズのヘキサノンには凄くいい印象がある。コニカのシンプルで丈夫な造りにもどこか安心感がある。それと、どの中古カメラ屋の店員さんと話しても、かつてのコニカの素晴らしさの話は良く聞く。このKonica FSも店員さんは嬉しそうに、縦走りフォーカルプレーンシャッターであること、それがコパル製で初期はロゴがシャッター幕に印字されてること、当時はコニカFマウントといい口径がやたら小さいことなんかを説明してくれて、そういう店員さんの本音的なおすすめ感も僕の直感を後押しした。

それでもそこそこ迷ってはいたんだけど、最後はこのピアノブラックとも言える艶やかな存在感に、もうきっとこの店以外では絶対出会わないだろうなと思い、気持ちを決めて連れて帰ることにした。帰ってからも、やたらボディを眺めては空シャッターを切ったり、各部のボタンなどが何の調整なのかを確かめたりしながらカチャカチャやる。このカメラを探る時間もまた楽しい。そう、なんにせよ楽しいわけだから、それだけでもお金を払って手にする価値は十分にある。あとは写ることを祈るばかりだけど、まあちゃんと写らなくても、それなりに写ってくれれば十分かなと。きょうは金曜日。きょうを頑張れば明日から三連休、FSとの試し撮りのひとときが待っていると思えば、まあ辛い仕事も頑張れたりするのである。ありがたい趣味だなとほんと思う。

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