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新たに僕の手元にやってきたレンジファインダー機、RICOH 500 Deluxe。その最大の特徴はなんといってもこの底部に突き出したトリガー式巻き上げ機構だろう。この当時のカメラを多数知る人にはそれほど珍しいものではないのかもしれないけど、僕自身は初体験。その綺麗なボディにはもちろん惹かれたけど、購入の最後の決め手になったのは、やはりこのトリガー(引き金)だった。
このカメラの概ねの特徴や操作方法はカメラ屋さんで聞いてきたんだけど、一応調べてみたところ、このカメラの登場は1958年。当初あった、RICOH 519という機種に固定装着されていたリケノン45/1.9(富岡光学製)をもっと安価で提供するために、45/2.8のRICOH 500、さらにその後 45/2.4のRICOH 500 Deluxe(日東光学製)が発売されたらしい。
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レンズシャッター機で絞りやシャッタースピード、距離合わせはすべてレンズ部にあり、さらに本来軍艦部にあるはずの巻き上げレバーが底部に付いたんで、軍艦部は突起がほぼ無くフラット。このカメラがシンプルに見える理由は、全体のデザインだけでなく、物理的にもボディがフラットであることが大きい。
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で、とにかくこの底部トリガー式の巻き上げ動作が気持ちいい。ジャキッといかにも機械を動かす音を奏で、感触も実に気持ちいい。これならギミックだけではなくある程度速写に生かせそうな気がする。その手ごたえある巻き上げに比べると、シャッター音はレンズシャッターらしく「チッ」とかすかな音しかしない。まさにKonica C35やRollei35と同じような静かさで、サイレントシャッターと言っていいだろう。
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このカメラにはほぼすべての純正パーツが付属していた。純正革製ケース、純正レンズフード、純正レンズフィルター(モノクロ用)。これだけ綺麗に揃っているモノはなかなか出てこないと店員さんも言っていた。僕もそう思った。最近、立て続けにカメラを増やしてしまってるけど、こんなモノとは今後出会わないだろうと思い、決心して連れて帰った。
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純正ケース、つまり革ストラップは付いていたんだけど、僕はカメラは裸でガシガシ使う派なので、別途、常用ストラップAN-4Bと三角リングをAmazonで注文した。届くまでしばらくは試し撮りはお預けかな。待っていられるかな笑、自信ないけど。
考えてみると、ずっとほぼNikon派だった僕がひょんなことからPentax SPを手に入れて以来、「なんだ、Nikon以外の国産カメラもいいじゃないか!」という、なんだか呪縛から解かれたかのようにいくつかの他メーカーのカメラを入手するに至っている。そうして思うのは、フィルム時代の日本のカメラ産業はほんと豊かだったんだろうなということ。夢が詰まったことが手に伝わってくるカメラたち。いま再び僕の中にフィルムカメラブームがやって来ているんだ。