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先週手に入れたRollei35の試し撮りが現像からあがってきた。まずはしっかり撮れていてホッとしている。やっぱりね、初めて手にするクラシックカメラの最初の現像は何度体験しても緊張する。幸い僕がこれまで手にしてきたクラシックカメラたちは試し撮り時に不具合があったことはないから、馴染みのカメラ店には感謝している。
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さて、そのRollei35だけど、僕のはいわゆる歴代最初のモデルでレンズはTessar 40/3.5を積んでいる。そう、僕が所有するRolleiflex Standardと同じであり、フィルムコンパクトであるKonica C35のレンズ、Hexanon 38/2.8のモデルになったレンズである。
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だから、僕にとってRollei35の試し撮りは個体がしっかり動作するかの確認であったと同時に、これまでスナップで多用してきたKonica C35との操作や写りとの比較が楽しみであった。Konica C35の作例は過去記事を見てもらうとして、やはりテッサー型の二台の写りは似てるなと思った。
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焦点距離もKonica C35が38mmに対してRollei35は40mm、開放F値もf2.8とF3.5と近い。フィルムカメラの場合は、写真の質を決めるのはレンズとフィルムと言われる。なので、同じレンズ構成のテッサー型でフィルムが同じなら、焦点距離もほぼ同じなこの二台の写りは理屈的にもかなり近いものになる。
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写真の描写の質としては、シャープでカリッとした乾いた質感かな。僕はKonica C35とRollei35の写真を並べてそれぞれ撮影機材を当てろと言われたら自信がない。まだRollei35のクセをつかめていない僕は、この二台のカメラの描写の差を見極める能力はまだない。ただはっきり言えるのは、やはり本能的にテッサー系レンズは好き、ということである。
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Konica C35もRollei35も実にコンパクトで手の中にすっぽり収まる。そんな玩具のようなボディから、シャープで綿密な写真を繰り出すそのギャップのような姿が僕にとってはテッサー型レンズの魅力だ。
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とはいえ、この二台は扱い方については趣が異なる。Konica C35のほうは当時の大衆的カメラだけにピントを合わせてシャッターを押すだけの手軽さが売りだけど、Rollei35のほうは高級コンパクトとしてドイツで生まれ、Rolleiflexを彷彿させる絞りとシャッタースピードダイヤルをじぶんで合わせて撮る。しかも距離計は搭載しておらず、目測だ。つまり、Konica C35よりは少々手間がかかるフィルムコンパクトだということ。
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まあ一般的な解釈として「手間がかかる」とは書いたけど、僕個人としてはだからこそRollei35を手に入れたところがある。つまり手間というよりは楽しみ。これまでフィルムコンパクトはKonica C35を多用してきた僕が、あえてRollei35も手に入れたことのわけはそこにある。
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バルナックライカIIIaを手にして街中のスナップを撮るようになって、すっかりマニュアルで露出を決めて撮ること、目測でヒュンヒュンとシャッターを切ることの楽しみを覚えたのである。カメラに撮ってもらうんじゃなくて、僕がカメラと共同作業で撮る感じ、それが何よりスナップする時の楽しみになってきたんだ。
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それともうひとつのローライ、二眼レフのRolleiflex Standardで近ごろ撮るようになったことも大きい。レンズはくしくもテッサー。このローライ×ツァイス・テッサーの組み合わせに魅せられた結果、街中のスナップでもこの組み合わせで撮ってみたいと思ったんだ。さすがに二眼レフを街中に持ち出してスナップする勇気というか気概はまだ僕にはなかったから。
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そういう意味では、週末にまったりと撮るあのRolleiflex Standardの撮影感覚を街中に持ち出すことができたという意味で、Rollei35を手に入れた意義は僕に撮ってはかなり大きい。Konica C35はあいかわらず大好きなカメラだけど、あえて手間をかけて撮るという意味では、僕はKonica C35を卒業してRollei35にたどり着いたのかもしれない。
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撮る作法みたいなものもRollei35はちょっと独特で、フィルム装填の方法から沈胴式レンズの出し入れまで、ちょっとした知識を必要とする。Konica C:35がそれこそ知識がなくてもシャッターを押すだけで写真が撮れるのに比べると、Rollei35は撮り手のことを試すみたいな構造が施されている。
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にんげんというのは不思議な生き物で、手がかかることの方が好きだったりするんだよね。Rollei35は慣れるとそうではないんだろうけど、初めて手にした時はそういうギミックで撮影者を試し、たぶんその撮り手を認めた先になんともいえない撮る快感があるカメラなんじゃないかと思う。
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まあ初めての試し撮りだから、写真の上手い下手は勘弁してもらうとして、なんとなくRollei35の写りの雰囲気みたいなものは伝わるんじゃないかと思うけど、どうだろう。僕としては期待通りの写りでもあったし、Konica C35よりは難解な撮影プロセスがなかなか新鮮だった。
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そうそう、Rollei35を購入したことをTwitterにあげたら、実にたくさんの人が祝福とともに声をかけてくれた。クラシックカメラ好きなら一度は通る道、みたいなニュアンスのコメントが多かったかな。その意味もこうして試し撮りをしてみたことで少しわかった気がする。慣れるまではしばらくの間、このRollei35で集中的にスナップを撮ってみたいと思う。実にシンプルなカメラでもあるけど、その分とても奥深い魅力があるような気もするんだよね。やっぱりフィルムカメラはいいな。こんなスナップ欲を刺激するカメラもそうはないと思う。手のかかることは、それだけ逆に愛おしいのである。その先の印象の変化などはまたおいおいブログに綴っていくということで、きょうはこのへんで。
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