今週はじめにローライフレックス・スタンダードで初めてのブローニー現像を体験して、まだその感動の余韻に浸ってる中なんだけど、今度は後追いでトイラボさんに出していたブローニーのモノクロ現像のほうがあがってきた。トイラボさんも初体験、ブローニーのモノクロ現像も初体験、スキャニングデータを受け取るのもメールで初体験と、もう初体験づくしの一週間となった。
先に体験したカラー現像もその独特の質感にちょっとした感動だったんだけど、今回のモノクロはさらに輪をかけて「好きだなあ」という世界を僕に見せてくれた。フィルムは今秋に販売終了が発表されている富士フイルム ネオパン ACROS100。僕がよく行くカメラ屋にひとつだけ置いてあったものだ。もしかしたら、僕にとって初体験のACROS100は、僕にとって最後のACROS100になったのかもしれないけど。
こうして見ると、モノクロは感慨深い。やっぱりローライフレックス・スタンダードの時代はモノクロが主流の時代だったんだろうからね、そういう歴史の血みたいなものが、このスタンダードとモノクロフィルムの組み合わせの中には宿ってる気がする。写真の中に封じ込めた時間の流れ方がモノクロのほうがよく似合う、という感じかな。どうだろう。
全12枚きっちり撮れていたけど、二枚ほど多重露光したものが混じってたかな。この上の写真もそうかな。意図して撮ったものじゃなくて、たぶん僕がフィルム送りを忘れてシャッターを切ってしまったものだけど、不思議とスタンダードで撮る多重露光はどれもいい雰囲気なんだよね笑。僕はこれ、フィルム一本に一、二枚混じる写真の神様からの贈り物だと思ってる。何かが宿ってる気がするんだよね。
それにしても「トイラボさん、ありがとう」だ。今回初めてトイラボさんを利用してみたんだけど、フィルムを郵送で発送してから中2日でこうしてメールで写真データを受け取ることができた。いつものラボなら一、二週間はかかるし、スキャニング代も35mmフィルムの倍の料金がかかるところなんだけど、トイラボさんならブログやSNSで使う程度の「ネットサイズ」なら現像代以外はスキャニング代も一切かからない。それでこれだけしっかりデータ化できるのはありがたいし、何よりブローニーを気軽に現像に出そうと思える。トイラボさんにはぜひ頑張ってもらって、一緒にフィルム文化を継承し続けていけたらなとほんとに思った。
これでカラーとモノクロの試し撮りがひと通り終わったローライフレックス・スタンダード。いやもう、気に入ったという他ない。1930年代の赤窓仕様のボディとノンコーティングのテッサーがこれだけの写りを2018年に見せてくれるんだから、それはもうそれだけで感動するし、この時空を超えた歓びのような感情が実に爽快だ。また家にモノクロのブローニーフィルムは4本ある。あの映画のような、絵本の中のようなファインダーの中の絵を想像するだけでゾクゾクする。いいな、カメラはやっぱり。