ロードバイク

いい大人の週末にはエンデュランスロードがおすすめだ。

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この場合の”いい大人”とは、余裕のあるジェントルマンという意味ではなくて、どちらかというと”少年のようになりたい大人”というほうが近い。クーラーの効かない炎天下のもと、ガソリンを使わずにじぶんの脚でペダルをこいで、頭の中をからっぽにして汗まみれになりながら肩で息をする。ベンチに倒れこむように座り、空を見たり、雲を何かの形に見立てたり、風の方角を感じたり、土や草の匂いをかぐ。部活と下校の帰り道がひとつになったような”少年のような時間”が味わえる。エンデュランスロードとはロードバイクの中でも、よりそんな自然を感じられるバイクだ。僕の相棒はスペシャライズド ルーベSL4スポーツ。色はスペシャライズドのブランドカラーでもある黒/赤だ。僕は普段どちらかというと赤系よりは濃紺やグレーを好むけど、ロードバイクだけは赤いスペシャライズドのロゴが自然の中で映えて気に入っている。

今日は行きは向かい風、帰りは追い風。ロードバイクは向かい風の中を走っている時のキツさはかなりのものだ。少し登りの道ともなると時速は20km以下まで落ちる。でも、何でもそうだけど、悪いことがあればその後は良いことが巡ってくる。風が追い風へと変わったら途端にロードバイクは別の生き物のようにロードの上をシャーっと滑らかに加速し始める。この時の幸福感といったらない。僕はこれを「追い風の魔法」と呼んでいる。追い風は僕の脚にまるで直結しているかのようにペダルの回転があがる。そして時速は30kmを超え、心地よい巡行モードに入る。そこからさらに加速は止まらずついには時速40kmを超えてゆく。追い風があるかぎりはその高速巡行はかなり長い時間可能だ。このスピード感はふつうの自転車では味わえない、ロードバイクならではの感覚。いまの時代に、そして大人の世界に、これだけ無心になれる瞬間を僕は他に知らない。とてもいいモノ、いいコトを手に入れた満足感に浸れる。それこそがいい大人の時間だ。そして僕は今週も途轍もなく生き返る、汗まみれで毎日を駆け抜けていたあの頃のように。

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