YouTubeでみつけた早田カメラさんの「M3をばらす」。
YouTubeで「名機の肖像 -M3篇-」を見ていて、何気なく見つけた動画「M3をばらす」というのがとても興味深くておもしろかった。ばらしを担当したのはおなじみの浅草の早田カメラさん。ライカの精密さも凄いけど、それを知りつくした早田さんの言葉や手さばきも凄い。その、かつての職人と現代の職人との対話みたいなものが、見ていてとてもそそられるんだよね。
僕はカメラの知識はほとんどないし、機械に強いほうでもないけど、こうしてじぶんの所有するカメラのルーツとか内部構造を知ることはやはり興味深い。ライカのM3はたしかに絹のような滑らかな動き、それでいて確かな手ごたえ、それを感じさせない静かな動作音など、どうしたらこんな構造が半世紀以上前に作れたんだ?というのは気になるところ。そういう時空を超えた感激みたいなものが、この動画を見ると静かに込み上げてくる。
“機械はドイツ”とよく言うけど、日本も世界を席巻したMADE IN JAPANの匠の国。カメラがこのドイツと日本で発展し、世界をリードしているのはいかにもな感じがするし、そのうちの日本に暮らし、こうして世界をリードするカメラたちを手軽に手にすることができるのは幸福なことだと思う。それにしてもM3、エレクトロニクスを一切使わずにここまで確かでスムーズなものを作り出したその驚異のオーバークオリティを目の当たりにすると、もう半世紀後もきっと実用で動いている気がするな。100年動き続ける実用的機械製品って、後にも先にも機械式カメラしか存在し得ないんじゃないかな。凄いよね、まったく。