Nikon Z6

ところで今、フルサイズミラーレスってどういう状況なんだろう。

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Nikon Z6, Nikkor Z 24-70/4S

といっても僕はカメラ業界の専門家ではないんで、あくまで私見で肌感覚でしかないんだけど、あいかわらずというかSONY α7シリーズがそのバリエーションも機能の充実度も一歩先ゆく熟成機としてリードしてる感じかな。カメラって広告宣伝云々より、周囲でその機材を持ってる人が多いことが、ヒットしてるかどうかのわかりやすいバロメータだと思うんだけど、その意味でもSONYユーザが多い印象はあるよね。

本当は僕としては所有するNikon Zシリーズを推したいところなんだけど、その良さがスペックには表れにくいこともあって、ちょっと玄人好みの機種になってる印象があるかな。いや、実際Z6/7のまるで光学ファインダーかのようなEVFは優秀だし、新設計の大口径Zマウントのボディ/レンズ共に従妹のFマウントとは異なる、洗練された実に良い写りをするわけだけど、そこはあまり語られないような気がしてる。

そんなNikonのどこかもっさりとしたZシリーズ拡充のスピードを意識してかどうかは分からないけど、元々今年開催予定だった五輪イヤーにCanonはEOS R5を発表してきた。バリバリのプロ機といっていいのかな、あらゆるスペックにおいてSONYを一気に抜き去りたいという態度表明なのか、その発表に僕らNikon Zユーザでもちょっと気になるようなカメラファンたちのざわめきがあったと思う。逆に言えば、Nikonはプロ用のZシリーズ拡充はまだなのか?みたいなジレンマでもあるんだろうけど。

そうそう、フルサイズミラーレスといえばむしろNikonよりSIGMA fpのほうが、いまは旬な感じがあるかもしれない。動画も強く意識したSIGMA fpはクリエイティブな仕事をしてる人たちが選んでる印象があるからやはり目立つし、実際カメラ店の人に聞いても「FUJIFILM X-Pro3よりむしろ売れている」みたいな声も聞いた。ファインダーを内蔵しなくてあれだけの値段のカメラがけっこう売れていることに少々ビックリするけど、他のモノとは似ていないという点が明確にあれば、プロダクトはちゃんと市場から支持されるんだなと再認識するようなところがある。

えっと、この話に結論は無いんだけど、でも今、フルサイズミラーレスをその将来性や拡張性も含めて周囲へお勧めできるモノとしては、やっぱりSONYになるのかな。去年や一昨年の各社がフルサイズミラーレスに本格参入した時の盛り上がりからすると、今は想像したよりもずっと遅いスピードで進行してるように見えるんだよね。と同時に年々カメラの需要も落ちていってる。さすがに世の中のカメラを求めるニーズが萎んだところで盛り返しを図っても辛いだろうから、内心、各社とも今アクセル踏まないでいつ踏むんだなんて思うわけだけど、どうだろう。

とはいえ、一方でAPS-CのFUJIFILM機やRICOH GRなんかは元気があるようにも見える。僕らみたいにオールドレンズをその焦点距離の画角で使いたいなんてこだわりが特になければ、フルサイズじゃなくたって全然OKという証かもしれないね。僕なんかは、さらに小さいセンサーサイズのマイクロフォーサーズ機もその手軽さゆえに、けっこうな頻度で使ってるんで。んー、ミラーレスという時代は、そもそもフルサイズである必要がない時代なのかもね。フルサイズになった瞬間にレンズもどうしても巨大化するから、僕はその点も少し気になっていた。

たまにね、フィルムカメラを使うと、あゝやっぱりこの薄さとこのサイズ感はいいなと思うわけです。例えば縦グリ一体型ボディの大柄なNikon F5でも、その手の中に収まった感じというのは、近年のデジタル一眼レフなんかよりとてもしなやかに振り回せる。人間工学的にもフィルムカメラ時代のあの形というのはひとつの完成形なんじゃないかと思うんだよね。

昨日かな、Twitterの中でLEICA digilux zoomのボディの写真をアップしたら、その当時のカメラの形はカッコいいって誰かが言ってたけど、同時にフィルムの呪縛から逃れて現代カメラはもっと自由なデザインであっていいのに、どれも昔からのカメラの延長線上のデザインでパッとしないみたいなこと言ってたけど、たしかにそれもあるかなと。これまでの一眼レフファンの人たちをミラーレスへ誘うなら、いわゆるカメラらしい形が必要なんだろうけど、新しく若いカメラファンを獲得するためには、カメラを再定義しないといけないのかもね。

またちょっと脈絡なく書いちゃったけど、ある意味これが僕の中で少し漂流状態にある現在のフルサイズミラーレスの立ち位置。カメラファンとしては当然、推していきたいわけだけど、何か大きな転換がいる気がするなあ。それともノスタルジーを引きずるしか手はないのか。ノスタルジーはフィルムとフィルムカメラの存続に託して、現代から未来のカメラにはもう少しイノベーションを見てみたいな。カメラファンだけじゃなく、人類がちょっと驚くようなやつをね。(あ、文章はすべて個人的な意見なので、ご了承を。)

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