まあこれは人それぞれ、価値観や優先順位も違うんで、あくまで僕個人の考え方なんだけど。そう、ここ数日間ブログで書いてきた通り、ちょっとフィルムの値上げの流れに軽やかに抗ってみよう、というものである。
ここ最近のフィルムの値上げのニュースに、たしかに気持ちが落ち込んだりという面もあったんだけど、一周回ってというか「むしろ、フィルムで撮ろう」という変なヤル気?が芽生えてきて、その決意の証にフィルム一眼レフの初号機「アサヒフレックス」を購入した。
やっぱりいいんだよね、フィルムカメラとフィルム写真。これはもう理屈抜きに。アナログな機械を、アナログな操作で動かして、アナログな写真に収めることの唯一無二の歓び。これは世の中から無くしちゃいけないし、僕の人生の営みからも消してはいけないと再確認した。
ただ、フィルムの値段を検索したりお店で調べてみると、やっぱりなかなかインパクトのある値段で、数年前のように易々と乱れ打ちはできない。そう、それなりにフィルム予算や現像関係費用を日々の生活の中から工夫して捻り出さないといけない。
僕の場合だと、どこから捻り出すか。それはもう、カメラ購入費用をある程度抑えて、その分をフィルム予算にまわすなどしてなんとかやりくりするしかないなと思うのである。
ただ、そこにネガティブな発想はない。やたらカメラ購入に充てていた予算を、ここぞというための予算に絞るのだから、それはある意味「沼」からの脱却も含めてなかなか有意義なことでもあり、写真生活本来の楽しみ方への回帰かもしれない。
それと、ふと思い至ったのは「デジカメはこれからいつでも楽しめるけど、フィルムは今しか楽しめない」ということ。今しかというのはあくまで想像だし、もしかしたら奇跡的に今後も数十年にわたって使い続けられるかもしれない。
そうなれば儲けものだけど、そうならないことも鑑みて「フィルムのある今」を可能な限り味わい、楽しんでおきたいというじぶんがいたりする。
35mmフィルムはネガ/ポジ共に家にまだまだ在庫ストックがあるんだけど、ブローニーについてはポジしか在庫が残っていないから、それこそ先頃発表されたKodak Gold200の120フィルムが欲しかったりするんだけど、これがなかなか僕の住んでる地域では店頭でお目にかかれない。
かといってネット通販にも並んでいないし、ネット通販で扱ってますという宣伝を見つけても、大抵あっという間に売り切れ表示になって、もはや値上げのことより入手しづらいことのほうが悩ましかったりする。
そう、フィルムについては待っていても朗報は決してやって来ない。じぶんから動いて手繰り寄せていかないと、フィルムと仲良くするのはなかなかむずかしい時代なのだ。
フィルムは安いものではなくなったけど、完全に無理なほど途方もない高値になったわけではない。まだ工夫次第で月に数本なら楽しみ続けることができる。
フィルムを敬遠していたら、いつの間にかこの世から姿を消すことになった…ということこそ我慢ならない。だから、やれる工夫はやってみて、僕の生活や人生の中にフィルムを残していこうと思うのだ。
いや、そんな大そうなことじゃないと言われるかもしれないけど、普通のアマチュア写真愛好家にとっては、ちょっと「じぶんの背中を押す小さな決意」みたいなものが必要なのだ。
フィルムが残り続けるかどうかは、フィルム文化がどうのこうのというよりも、フィルムで撮る人たちの素直な歓びが数値や結果になって現れるもの。
その傍観者ではなく、目撃者であり当事者であろうと思うのだ。