Asahiflex IIb

雨の土曜日と、謎のアサヒフレックス。

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Asahiflex, Takumar 50/3.5

本当は初めての試し撮りに連れ出したかったんだけど、あいにくの雨の土曜日。というわけで、きょうはこのアサヒフレックスのことについて、先人たちの記事を読んで少しヒストリーを紐解こうと思った。

クラシックなカメラを手に入れたら(もしくは手に入れるまでの事前リサーチ)僕はネット記事を検索して探すんだけど、意外とアサヒフレックスの記事は少ないかなと思った。YouTubeはめぼしい記事をほぼ見つけきれなかったかな。

それでも、いちばんオールマイティに歴代機種一覧を載せてくれていたのが、以下の虚弱庵さんの記事。こういう一覧記事はもうほんとカメラ史の資産でありがたいです。

で、このほかにもいくつかの記事を読んでいると、僕のアサヒフレックスはもしかしたらIIbじゃなくてIaかなとも思ったり。

お店で購入した時の値札はIIbだったけど、たしかに裏面の張り革にAsahi Op. Coの刻印があったり、底面のネジ位置が真ん中だったりと、Iaと思われる外観の特徴が見受けられる。レンズが前面シルバーのTakumar 50/3.5なのもどちらかといえばIaの時代っぽい。

けれど、シリアルナンバーはIIbのようだし、クイックリターンミラー方式なんでこれはIIbからの最も特徴的な変化だし、なかなかこのあたりが「謎」なのである。

Asahiflex, Takumar 50/3.5
Asahiflex 裏面の刻印
僕のAsahiflex 底面のネジ位置は中央に。

この時代のカメラたちは、たしかに型式が違っても細部のマイナーチェンジが微妙に入り組んで行われていたりもするので、こうして前後の型式の特徴が入り混じっていることも少なくない。

もしくは歴代のユーザーの人たちが、修理や改良で手を加えたりもしている可能性があるんで、そこはもう厳密には型式を決め込むのは無理というか、意味が無いのかもしれない。

厳密な特徴の違いとか、見分け方みたいなものは、見よう見まねのブログさんが詳しく書かれているので、興味のある人はこちらも参考に眺められてください。綿密で頭が下がります。

まあ、結局のところ僕のアサヒフレックスはIaな気もするしIIbな気もするしで、どちらかはよくわからず終いなんで、型番は呼ばずに「Asahiflex君」と呼ぶことにした笑。

I型ならそれこそ一眼レフの元祖でうれしいし、II型なら世界初のクイックリターンミラー採用でそれもまた旭光学の偉業の証。そのどっちの気分も両方満喫できる個体と考えれば少し得した気持ちになる。

そうそう、昨日アサヒフレックスを購入したことをツイートしたら、フォロワーさんから以下のようなうれしい昔のアサヒフレックスの広告を教えてもらった。Leo.Pさん、ありがとうございます。

「ライカの精密さとローライの魅力を持つ一眼レフ」というコピーをストレートに広告(実際に当時のアサヒカメラに出ていた広告だそうです)として採用していることにも驚くけど、でもまさしくその通りでもあって。

昨日のブログにも書いたけど、ピントを決められるウエストレベルファインダーともう一つ画角確認の小窓ファインダーを計2つ持つのはいかにもバルナックライカのそれだし、フィルムを巻き上げるノブ、フィルム巻上げ後に少し浮かせて合わせるシャッタースピードダイヤル、あとフィルム巻き戻しノブもまさしくバルナックのよう。

その見た目がバルナック似というだけじゃなくて、操作感もなかなか精密で当時の旭光学の本気をヒタヒタと感じる。

Asahiflex
Asahiflex
Asahiflex
Asahiflex

僕は長らくNikonを使ってきた人間で、そういう意味ではフィルムカメラもNikonを崇拝してきたところがあるけど、ペンタプリズムを生み出す前から一眼レフに着手したその志というのはやはりダテじゃないというか、メーカーを問わず当時のカメラ開発のロマンみたいなものが感じられて、実に興味深い。

最近、PENTAX K-3 Mark IIIを手にしたことで、そのルーツを体感してみたいという意味でも、このアサヒフレックスに触れることができたのは感慨深い。

AOCOマークの金属キャップ

そうこうしていると、雨もあがってきたんだけど、ウエストレベルファインダーでじっくりゆっくり撮りたいんで、日曜日の朝が晴れることを願って、試し撮りは明日やってみようと思う。

考えてみると、旭光学の血を引くカメラがこれで四台になった。結果的にいい感じで時代を跨いでいる気もする。

Asahiflex
Pentax SPF, Super Takumar 55/1.8
PENTAX Q-S1, 02 Standard Zoom
PENTAX K-3 Mark III, DA 20-40 Limited

カメラは写真という時空を超えた表現を作り出す道具だから、やはりそこにはヒストリーみたいなものがよく似合う。

PENTAXは先頃、光学ファインダーにこれからもこだわる、つまり一眼レフで歩み続けると宣言したけど、そのペンタプリズム機のさらにルーツとも言えるアサヒフレックスと出会えたことも、また縁であろう。

もうしばらく自室でアサヒフレックスの空シャッターを楽しみながら(しかし、この音色とショックの塩梅がまた実に気持ちいい)、明日の試し撮りを楽しみに、写真の神様に天気が良くなるようお祈りしているところである。

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