雪が降りそうな地域の皆さん、Nikon F2の出番ですよ。
そんなことを書いておきながら、僕はといえば明日雪になりそうな東京を脱出して飛行機の中にいる。ホームタウンに帰らないといけない事情があるから東京をあとにしたけど、時間に余裕があれば週末だし、東京に残って雪景色の撮影を楽しんでもよかったんだけどね。
というのも、今回の東京にはたまたま機械式カメラのLeica IIIaを持ち込んでいたからね。雪の舞うような天候と気温でも、電気を使わない機械式カメラなら持ち出しても平気かなと思い、たまに雪を撮る。いや、現代のデジカメだって雪なんかへっちゃらな性能かもしれないけど、なんか気分的にね、機械式カメラのほうが安心する。
機械式カメラの中でも僕が極め付けの信頼を置いているのが、Nikon F2だ。フィルムニコンのフラッグシップ機としての最後の機械式カメラ。冒険家の植村さんが北極点での撮影に持ち込むためにニコンで特注されたチタンモデルのウエムラスペシャルの話が有名だけど、そのイメージもあるのか、僕の中でもNikon F2への信頼感は抜群だ。実際に触ってみると、その途轍もなく強度の高そうな堅牢性を五感でビンビンと感じることになる。
シャッターの巻き上げも、いかにも高強度の機械を動かしているという手ごたえがあってプロ機の凄みを感じるし、少し元気の良すぎるような硬質なシャッター音は、このカメラが普通のものとは違うんだということを五感に伝えてくる。僕はFとF2、F3をしばらくの期間、お店で何度も触り比べたうえで、最後は直感でF2を選んだ。そして、その選択は間違いはなかったと思えるくらい、F2への信頼感は所有するカメラの中で一等賞だ。まあ、僕は別に極限状態の北極点で写真を撮るわけじゃないから、もっと普通のフレンドリーなカメラでいいわけだけど、そんなオーバースペックのカメラで撮る日常は気分としては実に気持ちいいのである。
さて、雪の日の話に戻すと、僕なら雪の日は間違いなくF2を連れ出すだろう。待ってましたとばかりに雪の舞う天候の中で、F2を酷使しまくる冒険気分を堪能したい。雪が舞うくらいだから、道行く人も他人のカメラのことなんか気にも留めないだろうから、そういう意味でも街中で堂々と一眼レフカメラを構えられる、年間では数えるほどしかない絶好のF2日和でもあると思うんだ。あの甲高いシャッター音も、しんしんとした雪の中ではいい具合にマットな音色に落ち着きそうだしね。さすがに明日の朝、F2を買い求めに出かける人はいないと思うけど、もし手元にF2がある人は外へ連れ出してプチ冒険気分をたっぷり味わっていただきたい。うちも雪降らないかなあ、白銀の世界のような凄いやつ笑。