Leica M-P typ240

辺りの音がシャッター音を搔き消す感じが好き。

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Leica M-P, Summilux 50/1.4

Leica M-Pとのスナップもずいぶん慣れてきた。繊細な癖をつかむのはまだまだだけど、撮る瞬間にそれほど考え込まず素直にシャッターが切れるようにはなってきたから、だんだんとM-Pがからだの一部になりかけてるという実感はどこかある。

そうして少し使い慣れてきて思うのは、M-Pのシャッター音もまたとても心地いいということ。擬音で表すと「キャッ チャ」という感じかな。手にして最初の頃は、M3なんかのささやくような音と比べると少し繊細さに欠ける音のように感じたけど、今ではすっかりその音が愛おしくなりつつある。何がいいって、ストリートの外気の中で聴くこのシャッター音がいい。外気の中ではマットな音となり、街ガヤの中に混ざり合うとじぶんにしか聴こえない程度のちょうどいい音になる。これが計算された音だとすると、ライカ社のスナップシューターへのこだわりに感服するけど、どうなんだろうね。それくらい、スナップの時に心地いい音になるよう設計されてるように思う。

バルナックIIIaよりはおとなしい音かな。IIIaとM3の中間のような、なんとも絶妙なシャッター音かもしれない。僕はもともとシャッター音好きなところがあって、自室でよく空シャッターを楽しんでいたりもする。自室で聴くシャッター音が少々賑やかに感じても、主戦場はストリートだから、シャッター音の良し悪しは外気の中で確かめるのが本来の姿だと思ってるけど、外気の中でのシャッター音の気持ちよさでいえば、俄然このM-Pが筆頭になりつつある。

そういう意味では、カメラ屋さんの店内で聴くシャッター音はちょっとあてにならないというか、あくまで試着みたいなところがある。僕の所有するカメラでいえば、例えばNikon F2なんかは屋内でシャッター音を聴くと、その甲高い大きなシャッター音とミラーショックの大きさに驚くけど、これもまた外へ連れ出して外気の中で聴くと、空気がいい具合に音を吸収してマットで抑えの効いた音へと変化する。音に徹底的にこだわったといわれるNikon F6なんかもその真骨頂はやっぱり外気の中で聴くシャッター音がなんともいえず品があって最高だ。その道具が本来活躍する場所で動かしてこそ、その機械の本領が発揮される。いいカメラとは、そういうリアルに使うシーンで最高性能が出るように設計されたもの。最近、そんなふうに思う、とても。

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