Leica M-P typ240

街中で撮ることをイメージしたら、僕のカメラは暗闇色になっていった。

アフィリエイト広告を利用しています
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd

街中で撮ることをイメージしたら、僕のカメラは暗闇色になっていった。

今朝のTweetの続きなんだけどね。僕が所有するカメラの中でも街中でスナップに持ち出すことが多いのは、Leica M-P typ240とOLYMPUS PEN-Fなんだけど、そこに明確な共通点があるとするなら、それは両方ともほぼ全身真っ黒であるということ。黒色の精悍さがいいというのももちろんあるけど、決定的な選択理由はもっと現実的だ。

「街中で少しでも目立たないこと」

これに尽きる。カメラ屋でボディを見る時はシルバーボディも惹かれるんだよね。というか、僕は佇まいだけでいえばシルバーボディのほうが好きかもしれない。金属の艶かしさはいかにもクラシカルで美しいし、その美しいボディラインは明暗のあるシルバーボディのほうが堪能できる。だけど、いざカメラやレンズを選ぶ時、街角でじぶんがカメラを構えている姿を想像すると、いつも最終的にはブラックボディとブラックレンズの組み合わせに落ち着く。それくらいカメラの色やデザインは街撮りには重要な要素なんだよね、僕の場合。

Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
Leica M-P typ240, Summilux 50/1.4 2nd
OLYMPUS PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

別に街中で僕がカメラを構えたところで誰も気にとめて見たりなんかしないかもしれないけど、そこは撮り手としてはやはり気になる部分で、できれば周囲の人から透明人間のようにしぶんが消えてしまったほうがいい。別に怪しい写真を撮るわけじゃないけど、瞬時に速写するとはいえ落ち着いて撮りたいという思いがある。そうすると、カメラはできるだけ存在感を消せるものがいいということになる。

そんなカメラの色なんて些細なことで撮る意識が変わるはずないなんて言われそうだけど、僕の場合はまったくもって小心者で臆病な人間だから、シルバーのカメラを街中で取り出すのはどこか気が引ける。黒色なら全然大丈夫かといえばそういうわけでもないけど、少なくともシルバーボディよりはブラックボディのほうが多少、心持ちとしてはカメラを取り出す気がわいてくるんだ。

OLYMPUS PEN-F, M.Zuiko digital 12/2

街中のスナップの場合、どんな高性能なカメラを持ち歩いていたとしても、取り出さなくては写真は撮れない。街中ではほとんど速写だから、少しでも躊躇すると撮影枚数はぐんと低くなる。ちょっとした大きさや重さ、取り出したくなるボディやデザインであることはもろに写真のあがりに影響するんだ。

僕は夜スナップすることも多いから、薄い暗闇の中でカメラが光り輝くよりは、まるで存在していないかなように街の雑踏に埋もれていれることのほうが重要だ。だからカメラを手に入れる時は、カメラを構えるシチュエーションを頭の中でイメージしてみる。そうして、とにかく少しでも目立たない姿を想像すると、カメラは暗闇色の漆黒ボディ&レンズになるわけである。

いやいや、カメラはそもそも真っ黒なモノが多いでしょ?というのもあるんだけど、そこは色だけのことではなくて、正面からカメラを見た時に「特に気にならない」というある種の地味っぷりが大切。意外とカメラにとってはいろんな顔つきがあって、黒ならなんでもいいというワケでもないんだ。威圧感のないカメラの「脇役」的で「主張しすぎない」顔つきというものがやはりあって、その些細だけど重要な要素は周囲からの反応に意外と大きな影響を与える。スナップをやる人であればその感覚はかなりリアリティのあるものじゃないだろうか。カメラは眺める骨董品じゃなくて、撮る道具だからね。どうもスナップがすすまないという人は、一度カメラをブラックボディに変えてみてはどうだろう。おそらく、いや間違いなく、そこに決して小さくない変化を感じるはずだから。

関連記事