Leica IIIa

普通の人からしたら、ライカとはM型のことなんだろうけど。僕もそうだったから。

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Leica IIIa, Elmar 50/3.5

事実、僕もそうだったんだよね。初めて手に入れたライカはM3だったからね。ライカってほら、高価なイメージがあるから、M型のあのルックスのほうが何やら質実剛健で精密機械な印象があって、僕もそういうイメージでM3からライカを探すことにした。

そんな風にライカM3を手にしてから、一年以上後かな、このバルナック型ライカIIIaを手に入れたのは。M型ライカを使い始めたり、クラシックカメラなんかを好んで使うようになると、徐々にこのバルナックと呼ばれるライカが目につくようになるんだ。

僕の場合だと、日々通う中古カメラ店やクラシックカメラ好きな人たちのTwitterなんかを見ているうちに、なんだかとてもアンティークなスタイルのライカがカメクラな人たちから愛されてることに気がつくんだよね。そうして、フィルムカメラを始めた人たちは、やがてこのライカの原点ともいえるバルナック型ライカにたどり着くわけだ。

ちょっと音楽の世界にも似てるというか、海外のロックミュージックなんかにハマりだすと、そのルーツとなったブルースにまで遡ったりするよね、アレです、アレ笑。で、僕もまんまとライカのルーツであるバルナック型まで遡って、ライカをより愛し始めたわけです。

でも、単にそうした物語性だけでバルナックが良いといってるわけじゃなくて、実際スナップシューターとしてもバルナックは優秀なわけで、そのコンパクトで街中へ持ち出しやすい魅力に僕はまんまとハマった。M型のような秀逸なファインダーは無い分、目測という撮り方を意識し始めたのもバルナックのおかげ。そして何より、街にライカを連れ出すことが劇的に増えた。僕の中でライカ=スナップシューターになったのはバルナックに会えたからなんだよね。

そういえば、バルナックのフィルム装填手順を昼休みにTwitterにあげたら「ライカってフィルムカットしないとフィルム装填できないんですか?」と聞かれたけど、これは無理もなくて、確かにフィルムカメラが最近ブームだとはいえ、フィルムカットを要するカメラはそう遭遇しない。まあ、速写したい割には手間がかかるところもあるけど、それも含めてバルナックで撮るプロセスとは意味深いんだよね。

ライカをスナップシューターと位置付けるなら、最も持ち出しやすくてストリートが似合うライカ、それが僕の中のバルナック。M3、M型デジタルとたどって使用してみて、最後はこのバルナックに行き着くという心境もなんだかおもしろい。バルナックに装着しているエルマーのことを、人は「エルマーに始まり、エルマーに終わる」とよく言うけど、それはつまり「ライカとは、バルナックに始まり、バルナックに終わる」という意味でもあるのかなと最近思っている。

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